1. 総合TOP
  2. 投資家情報
  3. 統合レポート2026
  4. 社外取締役メッセージ

社外取締役メッセージ

長期的投資と「稼ぐ力」の強化を両輪で進め、持続的な成長基盤を再構築します

取締役 監査等委員(社外取締役)

杉田 浩章


 ユニ・チャームは、厳しい経営環境下で持続的な成長基盤の再構築を図るべく、2030年に売上高1.5兆円、コア営業利益率17%というチャレンジ目標を掲げた第13次中期経営計画「Project Renaissance」を策定しました。本計画は、単なる事業刷新ではなく、「戦い方そのものの再構築」を目指すものであり、市場・顧客・競合環境の変化に加え、消費者とのコミュニケーション手法やAIを含むテクノロジーの急速な進化といった複合的な変化への対応を背景としています。従来のビジネスモデルの延命では、期待される成長は維持できないとの認識の下、新たな勝ちパターンの構築に挑む決断を私は高く評価しています。

 取締役会では、当社が直面する課題や将来のリスクと機会を丁寧に把握し、過去の成功体験にとらわれず現状を直視する姿勢で議論を進めました。私は企業変革に関する知見を基に、重要な論点について積極的に意見具申や課題提起をし、議論の深化に努めています。

 「Project Renaissance」を構成する個々の戦略は、まだまだ精緻化する余地を残しますが、事業ポートフォリオの転換とビジネスモデル改革を推進する組織としてSBU(Strategic Business Unit/戦略的事業単位)制を導入したことは大きな一歩です。この体制が変革の起爆剤となるよう注視し、責任者であるSBUプレジデントのリーダーシップが遺憾なく発揮されるよう支援したいと思います。本計画では具体的には、ペットケアとウェルネスケアを成長の牽引役とするビジネスモデルの確立や、フェミニンケアの収益性向上と成長基盤の強化、ベビーケアの収益性改善などを重点に位置づけています。また、SBU制を基軸としたエリア別ポートフォリオの転換、とりわけインド、アフリカ、南米における事業基盤の確立が重要と判断し、適正な資源配分を後押ししたいと思います。

 さらに、『ソフィBe』を起点としたウェルビーイング領域へのD2C*(Direct to Consumer)事業の拡張や、全分野での『RefF』商品の展開、生成AIによるバリューチェーン革新、そして当社の強みである消費者インサイトを活かしたイノベーションなどによって競争優位性を一段と高めることが不可欠です。これらの施策に対し適切な投資と実行体制の担保がなされるよう引き続き支援していきます。

 持続的な成長基盤の再構築には、次のイノベーションを生む長期的投資と新たなビジネスモデルの構築、そしてそれらを支えるキャッシュ・フロー最大化という「稼ぐ力」の強化を両輪で進めることが重要です。取締役として、この難度の高いトランスフォーメーションの実現に責任を持って寄与します。

* メーカーが小売や卸売などの仲介業者を通さず、自社ECサイトなどで直接消費者に商品を販売するモデル。

共創価値最大化のためのAI・DXを実装し、競争優位性を高める挑戦を続けます

取締役 監査等委員(社外取締役)

ルゾンカ 典子

 第13次中期経営計画「Project Renaissance」は、ユニ・チャームらしさが随所に表れた戦略であると感じています。AIに代表される先端テクノロジーの活用を明確に打ち出しながらも、その根底には人間の感性を重視する姿勢があり、単なるデジタル化にとどまらない点が印象的です。合理性や効率性を追求する“左脳的”なアプローチと、生活者への深い共感や創造性といった“右脳的”な価値観を両立する重要性を強く訴えかける中期経営計画だと受け止めています。

 また、長年培われてきた「モノづくり」の精神を礎に、商品を単なるモノではなく、お客様の期待や課題に応える価値あるサービスとしている点も、この中期経営計画の大きな特徴です。AI・DXは効率化のための手段ではなく、生活者理解を深化させ、よりよい体験を提供するための基盤に位置づけられており、社会との「共創価値」を最大化しようとする考え方は、近年のサステナビリティ推進の取り組みとも明確に連動しています。

 一方で、重要なのは「その価値創造をどのように実践していくのか」という点です。AI・DXは導入することが目的ではなく、経営や事業、現場の意思決定をどこまで変えられるかが重要です。このAI・DXの実践力こそがビジネスをさらに強化し、競争優位性を生み出す重要な戦術になると考えています。

 具体的には、当社の強みであるアジアをはじめとした世界各地での豊富な事業経験や高いブランド力に、データとAIの利活用による共通基盤を掛け合わせることで、組織の枠組みを超えた知見活用が可能になります。このような取り組みにより、スピード感ある意思決定と生活者ニーズの変化を先取りした対応を実現すれば、当社ならではの揺るぎないエコシステムが構築できると感じています。

 そのためには、社員一人ひとりがデータとAIを「一部の専門家のもの」とせず、「自らの業務を進化させるためのツール」として捉え、デジタルスキルを継続的に高めていくことが不可欠です。これまで現場で培ったビジネスノウハウなどの暗黙知をデータとして構造化しAIを通じて組織全体で活用すれば、価値創造を加速させる原動力になるでしょう。

 一連の取り組みにおいては、過去の業務プロセスや慣行を見直し、時には手放す「断捨離」が求められるかもしれません。しかし、変革をおそれず機動力を高めながらAI・DXといった新たな試みを実装する姿勢こそが、当社の強みそのものであり、これらによってその強みがさらに磨かれるものと思います。

 このような挑戦をし続けるユニ・チャームの持続的な成長を心から期待し、これからも応援します。

 Love Your Possibilities!

このページをシェアする