サステナビリティマネジメント
ESG担当役員からのメッセージ
ユニ・チャーム株式会社
上席執行役員 ESG本部長
上田 健次
「Kyo-sei Life Vision 2035」の策定にあたって
~自然環境問題・社会課題の解決と事業成長の統合を加速させるために~
私たちユニ・チャームは、「共生社会」の実現を目指しています。ここで掲げる「共生社会」とは、いわゆる生活弱者に加え、加齢や疾病、出産、生理などにより一時的または一定期間、不利を抱える状況にある人たちまでを視野に、どのような状況においても、その人らしい生活が送れるよう、一人ひとりが自立しつつ、程よい距離感でそれぞれができる方法で支え合う社会です。この「共生社会」を着実に実現すべく、2020年に中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2030」および「環境目標2030」を策定し、推進してきました。
この取り組みが5年経過したことを踏まえ、さらに加速すべく2025年10月に両計画を統合し「Kyo-sei Life Vision 2035」へとリニューアルしました。「Kyo-sei Life Vision 2035」では、これまでにステークホルダーの皆様からお寄せいただいた、「重要取り組みテーマが重複しているように見える」といったご意見や「目標や実績をより具体的・定量的にした方がよい」といったアドバイスを反映し、実現可能で具体性や現実性のある「実行性」と、どれだけ効果を発揮して目的の達成に貢献するかを示す「実効性」という2つの「じっこうせい」に照らして、右に掲げる3点をポイントに策定しました。
1. 重要取り組みテーマの見直しと指標・目標の定量化
社内外のステークホルダーとの対話を通じて、重要課題(マテリアリティ)の優先度を見直しました。その結果、事業活動との連動性をさらに高めるべく、重要取り組みテーマを20項目から16項目へと再編し、より具体的で定量的な指標と目標に修正しました。例えば、当社が展開する事業分野と密接に関係する重要取り組みテーマを設定している「私たちの健康を守る・支える」では、2035年時点の獲得ユーザー数を指数化し、目標に設定しました。
2. 「Kyo-sei Life Vision 2030」と「環境目標2030」をひとつに統合
これまで「Kyo-sei Life Vision 2030」と並行して、自然環境問題に特化した「環境目標2030」を立案し、推進してきましたが、「Kyo-sei Life Vision 2035」では両者を統合しました。具体的には、重要取り組みテーマに、気候変動対応や持続可能性・生物多様性に配慮したバリューチェーン構築、プラスチック使用量の削減に加えて、当社独自の循環型ビジネスモデルである『RefF』の社会実装拡大を掲げ、資源循環と環境負荷低減を一体化して推進することにしました。
3. 全社員での取り組みを加速
どのような目標も、実行する社員が本気になって取り組まなければ成果を上げることは望めません。当社では、2023年1月より全社員の人事評価指標にESG項目を導入しましたが、2026年度より、この評価項目を「Kyo-sei Life Vision 2035」の重要取り組みテーマと紐づけることにしました。全社目標を部門ごとの目標、さらには課やグループといった最小マネジメント単位の目標、そして社員一人ひとりの個人目標へと連携させることで、取り組みを加速します。
当社は、全社員で「Kyo-sei Life Vision 2035」を着実に実行し、事業活動を通じて自然環境問題や社会課題を解決し、地域社会へ貢献するとともに、適切なガバナンスを維持することが、持続的な企業価値向上に欠かせないと考えています。これからも「Kyo-sei Life Vision 2035」の進捗と成果を適切に開示することによって、お客様、株主・投資家、お取引先、社員とその家族、社会といったすべてのステークホルダーの皆様に信頼していただける会社となることを目指します。
マネジメント体制
サステナビリティ推進体制
当社では、サステナビリティマネジメントを着実に実行すべく適切な体制を構築しています。具体的には、社長執行役員を委員長とするESG委員会を年4回開催し、サステナビリティ全般およびガバナンスに関する方針や活動内容について審議・決定し、その進捗状況のモニタリングを行います。ESG委員会には、取締役や執行役員といった経営層に加えて、営業部門や開発部門、マーケティング部門、コーポレート部門、国内外の連結子会社の責任者が出席することで、決定したサステナビリティ関連の諸活動を迅速に実行できる体制を構築しています。なお、ESG委員会での審議・決定内容については、取締役会に年1回以上報告しています。
サステナビリティ推進体制
ESG委員会の役割、実績
| 役割 |
・中長期ESG目標および中期経営計画に関する進捗状況の審議・決定 ・グループ全体のサステナビリティに関するリスクと機会および重要課題の特定と対応、情報開示に関する審議・決定 ・同委員会で審議・決定した内容を年1回以上取締役会に報告 |
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|---|---|---|
| 2025年度実績 | 開催回数 |
4回(2月、5月、8月、11月) |
| 主な討議テーマ |
・中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2030」「環境目標2030」および中期経営計画に関する進捗状況 ・「Kyo-sei Life Vision 2035」の策定 ・「GHG排出量可視化プロジェクト」について ・持続可能性に貢献する社内基準「SDGs Theme Guideline」の運用について ・統合レポート、サステナビリティレポートの制作方針、進捗について ・ESGの外部評価に関する情報の共有 ・CSA(Control Self-Assessment/統制自己評価)と内部監査計画 |
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ESG 委員会における主な取り組みテーマと分類
| ISO26000 中核主題 |
組織統治、人権、労働慣行、環境、公正な事業慣行、消費者課題、コミュニティ参画および開発 |
|---|---|
| 主な取り組みテーマ | |
| E |
・プラスチック問題:プラスチック使用量削減 ・気候変動リスク:温室効果ガス削減、エネルギー使用管理 ・水リスク:水使用量削減、汚染防止 ・汚染と資源:廃棄物削減、資源使用、リサイクル、汚染防止 ・サプライチェーン:サプライヤー方針、環境問題、持続可能な森林資源・パーム油調達 ・生物多様性:森林由来原料、パーム油 ・環境配慮型商品の開発 |
| S |
・労働基準:児童労働の禁止、強制労働の禁止、差別禁止、結社の自由、団体交渉権、最低賃金、ハラスメントの防止 ・社員の健康と安全 ・人権:デュー・ディリジェンス、子どもの権利、児童労働の禁止、地域雇用、苦情処理 ・社会:コミュニティ投資、社会貢献活動 ・顧客に対する責任:責任ある広告とマーケティング、顧客満足 ・サプライチェーン:児童労働の禁止、強制労働の禁止、差別禁止、結社の自由、団体交渉権、最低賃金、健康安全、デュー・ディリジェンス、能力開発 ・商品品質、商品安全 |
| G |
・腐敗防止:贈収賄、インサイダー取引、内部通報制度、教育、リスク評価 ・コーポレート・ガバナンス ・全社的なリスクマネジメント:環境、社会、コーポレート・ガバナンス ・コンプライアンス ・税の透明性 |
ステークホルダーとのエンゲージメント
当社は、「“信念と誓い”と企業行動原則」と「マルチステークホルダー方針」において、お客様、株主・投資家、お取引先、社員、社会から信頼される誠実な企業活動を行うことを誓い、さまざまな機会を通じて、ステークホルダーの皆様とエンゲージメントを深める活動を行っています。また、衛生的な生活に欠かせない消費財を提供する企業として、地球環境や国際社会、次世代も重要なステークホルダーとして捉えています。
ユニ・チャームグループのステークホルダー
ステークホルダーとのコミュニケーション
| ステークホルダー | コミュニケーション方針 (信念と誓い) |
コミュニケーション方法 | 頻度 | 対話のテーマ例 |
|---|---|---|---|---|
|
お客様 |
我が社は、常に全力で尽くし続けることによって、No.1のご支持をいただくことを誓います。 |
お客様相談窓口、グループインタビュー、モニター調査、展示会・セミナー、Webサイト、各種SNSアカウント |
随時 |
商品に関する品質・安全・機能、商品・サービスに関するご意見と対応 |
|
株主・投資家 |
我が社は、業界一級の利益還元を、実現することを誓います。 |
株主総会 |
年1回 |
決算概要説明、健全な企業経営 |
|
決算発表・説明会 |
年4回 |
|||
|
投資家との個別対話、海外IR活動 |
随時 |
|||
|
お取引先 |
我が社は、公平で公正な関係を保つことによって、お互いの健全な成長の実現を誓います。 |
成長戦略共有会 |
年2回 |
商品・サービスの提案、サプライチェーンマネジメント、品質、安全、環境 |
|
展示会・イベント |
随時 |
|||
|
中長期方針説明会 |
年1回 |
|||
|
アンケート・監査 |
随時 |
|||
|
社員 |
我が社は、一人ひとりに自信と誇りを提供し、社員およびその家族の幸福を実現することを誓います。 |
共振の経営実践会議 |
週1回 |
待遇、健康、仕事の満足度、多様性を尊重する制度や活用事例の紹介 |
|
社員意識調査 |
年1回 |
|||
|
労使協議、社員相談窓口、家族工場参観日、社内イントラネット・社内報 |
随時 |
|||
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社会 |
我が社は、全ての企業活動を通じて、そこに携わる人々、および社会全体の、経済的かつ精神的充足に貢献することを誓います。 |
地域社会での活動、行政・自治体・NGO/NPO団体との協働、業界団体での活動 |
随時 |
災害支援、排泄ケア、健康増進、保健衛生、現地雇用、事業活動を通じた連携 |




