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社長メッセージ

「Love Your Possibilities」で、「共生社会」の実現に貢献

「Love Your Possibilities」

代表取締役

社長執行役員

高原 豪久

 ユニ・チャームは、2024年にコーポレート・ブランド・エッセンス「Love Your Possibilities~なんでもできそう。いつでも、いつまでも。~」を発信しました。この「Love Your Possibilities」には、誰もが秘めている限りない可能性を信じ、その可能性を慈愛にあふれた利他の心で発揮することによって互いに支え合う「共生社会」の実現に貢献したいという当社の想いを込めています。

 これまで当社は、不織布・吸収体の加工・成形技術を活用し、生理用品や紙パンツ(紙おむつ)といった衛生用品の製造・販売を通じて、不快、不便、不衛生など「不」の解消と、楽しさや生きる喜びなどの夢の実現に貢献するといった、当社ならではの独自価値を提供することによって今日の規模にまで成長してきました。しかしながら昨今の消費者は、環境問題や社会課題にも敏感であるため、当社の商品・サービスが消費者にとって有益なことはもちろん、自然環境や地域社会をよりよい方向へと導く役割も担うべきだと考えています。これらの変化を踏まえ、当社は環境問題や社会課題の解決に貢献すると同時に、新しい価値の創造に挑み続け、世界中のお客様の「可能性」を広げることによって「共生社会」の実現に貢献することを目指しています。

中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2030」

 ユニ・チャームは、「Love Your Possibilities」に先立って、2020年10月に中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2030」を公表しました。「Kyo-sei Life Vision 2030」の策定にあたっては、当社のパーパス(存在意義)である「SDGsの実現」に貢献することに照らして、環境問題や社会課題への取り組み、ガバナンスの強化をテーマにマテリアリティを整理し、社内外のステークホルダーから広く意見を集めました。寄せられた意見を整理・分析して重要課題を抽出し、当社の事業展開との親和性などを踏まえて、「私たちの健康を守る・支える」「社会の健康を守る・支える」「地球の健康を守る・支える」「ユニ・チャーム プリンシプル」の4分野にそれぞれ5つ、合計20の重要取り組みテーマ・指標・目標を設定しました。

 まず、「私たちの健康を守る・支える」では、すべての人が「自分らしさ」を実感し、日々の暮らしを楽しむことができる社会の実現に貢献する商品・サービスの展開をテーマに設定しています。次に、「社会の健康を守る・支える」では、提供する商品・サービスを通じて、お客様の安全・安心・満足度の向上と、社会課題の解決や持続可能性への貢献の両立を目標としました。そして、「地球の健康を守る・支える」では、衛生的で便利な商品・サービスの提供と、地球環境をよりよくする活動への貢献を目指しています。加えて、「ユニ・チャーム プリンシプル」では、すべてのステークホルダーから信頼を得られるような公正で透明性の高い企業運営を目標としています。このように、社員一人ひとりが日々の事業活動を通じて「Kyo-sei Life Vision 2030」を着実に実行することは、環境問題や社会課題の解決や地域社会への貢献そのものであり、継続的な事業成長につながると考えています。

世界へ広がる「Love Your Possibilities」

 ここで、「私たちの健康を守る・支える」「社会の健康を守る・支える」の具体例として、ケニアでの生理用ナプキン普及に向けた取り組みを紹介します。 

 アフリカのケニアでは、経済的な理由や流通の未発達などを背景に、生理用ナプキンの普及率は約3割にとどまっています。このような状況に対し、ユニ・チャーム株式会社は豊田通商株式会社と同社現地法人のCFAO Kenya Limited(CFAOケニア)と協力して、2023年8月より当社エジプト工場で生産したプレミアム生理用ナプキンを輸入販売してきました。しかし、依然として価格と品質のバランスに課題があり、多くの女性が日常的に生理用ナプキンを使用できない状況にありました。そこで、ケニアの女性が生理用品に求めている機能・品質の商品を、“いつでも・どこでも・だれでも、必要な時に”手に取れるようにすべきだと判断し、豊田通商およびCFAOケニアと協働で、2025年1月より、ケニアで生産した生理用ナプキン『SOFY Long Lasting』の販売を開始しました。この取り組みでは、当社が有する不織布・吸収体の加工・成形技術を活かし、ケニアの女性が生理用品に求める機能に特化した商品を開発し、原材料の一部をケニアで調達することで従来の輸入品の約3分の2の単価を実現しました。また、必要な時に必要な分だけ購入できるよう、1枚入りの商品も販売しています。一方、豊田通商およびCFAOケニアは、現地に根ざした流通ネットワークを最大限に活用し、取り扱い店舗の拡大や販売管理など、現地販売体制の拡充を担っています。また、商品の普及と併せて初経や月経に関する正しい知識を伝播する活動を展開することで、ケニアでさらに多くの女性が衛生用品を日常的に使用できる環境づくりを推進し、地域全体の衛生環境を改善することを目指します。

 今後は、周辺国への展開も視野に、ケニアを含むアフリカ全体に広く生理用品を普及させることによって新たな雇用を創出し、地域経済の活性化と女性の社会進出を促すことによって、ケニアはもちろんアフリカに暮らすすべての女性の「可能性」を広げたいと考えています。

グループ全員で「共生社会」を実現する

 「Kyo-sei Life Vision 2030」を達成するには、さまざまな国・地域で活躍する約16,000名のユニ・チャームグループ社員全員で取り組む必要があります。このため当社では、「Kyo-sei Life Vision 2030」に社員一人ひとりが主体的かつ能動的に取り組むよう、2023年度より業績評価にESG項目を取り入れました。さらには、「Kyo-sei Life Vision 2030」の重要取り組みテーマ・指標・目標と親和性のある半期目標を設定し、これを月次、週次、日次へとブレークダウンすることで着実に実行する仕組みを運用しています。このように社員一人ひとりが日々の業務の中で「Kyo-sei Life Vision 2030」について主体的に考え、行動することによって、それぞれの国や地域の特性に合わせた当社ならではの独自価値の提供が可能となり、結果として世界中のお客様の「可能性」を広げることに貢献できると考えています。

 今後も、「Kyo-sei Life Vision 2030」をグループ全員で着実に推進し、事業活動を通じて環境問題や社会課題を解決し、地域社会へ貢献することで、「共生社会」の実現を目指します。

2025年5月

ユニ・チャーム株式会社

代表取締役 社長執行役員

高原 豪久

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