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  5. ウェットシート材への加熱変性リゾチーム配合技術「キユーピー株式会社と共同開発」

2019年09月26日

ウェットシート材に加熱変性リゾチームを安定的に
配合する技術をキユーピー株式会社と共同開発

~9月26日(木)に日本防菌防黴学会第46回年次大会で発表~

ユニ・チャーム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員:高原豪久、以下当社)は、キユーピー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長執行役員:長南 収、以下キユーピー)との共同研究により、加熱変性した卵白由来のリゾチームをウェットシート材に安定的に配合する技術を開発し、ウェットシート材の形態でもノロウイルスを顕著に不活化することを確認しました。これらの研究について、日本防菌防黴学会第46回年次大会(会場:千里ライフサイエンスセンター、大阪府豊中市/期間:9月25-26日)で発表しました(キユーピーとの共同発表)。

卵白リゾチームは、卵白中に含まれる抗菌作用を持つ酵素です。キユーピーはこれまでに、東京海洋大学との共同研究により、加熱変性した卵白リゾチームがノロウイルスを破壊し不活化すること※1を明らかにしています。この加熱変性リゾチームを日常のさまざまなシーンや衛生用品に応用するためには、利用用途に適した材料に安定的に配合する技術開発が重要となります。

今回の研究では、ウェットシート材に加熱変性リゾチームを安定的に配合することを目的として技術検討を行い、最適な配合条件を見出しました。また、ステンレス板を用いたふき取り試験により、加熱変性リゾチームを配合したウェットシート材の形態で、ノロウイルスの代替ウイルスであるマウスノロウイルス(MNV)を顕著に不活化することを確認しました。

  • キユーピーアヲハタニュース2015年 No.47参照

今後も当社は、お客様の清潔な暮らしをサポートする商品開発を積極的に行い、広く社会に貢献することを目指します。

研究内容の概略

加熱変性リゾチームのウェットシート材への配合適性の検討、およびMNV不活化効果の検証を行った。

試験

卵白リゾチーム溶液を90℃で1時間加熱変性処理した。その後溶液を噴霧乾燥して加熱変性リゾチーム粉末を作製した。当該加熱変性リゾチーム粉末を終濃度0.15%となるよう50%エタノール水溶液に溶解してウェットシート材への含浸液を作製し、それを用いて加熱変性リゾチーム配合ウェットシート材を作製した。MNVを塗布したステンレス板上をウェットシート剤で10往復ふきとった後、ステンレス板上およびウェットシート材中のMNV数をプラークアッセイ法で測定した。

結果

加熱変性リゾチームを配合したウェットシート材は、ステンレス板上およびウェットシート材中のMNVを顕著に不活化することが明らかとなった (図)。さらに、加熱変性リゾチームを配合したウェットシート材は、長期にわたりMNVの不活化効果および性状が安定であることも確認した。

【図】加熱変性リゾチーム配合ウェットシート材は、対照と比較して高いMNV不活化効果を示した。 【図】加熱変性リゾチーム配合ウェットシート材は、対照と比較して高いMNV不活化効果を示した。

【図】加熱変性リゾチーム配合ウェットシート材は、対照と比較して高いMNV不活化効果を示した。

 <<本件に関するお問い合わせ先>>

一般報道機関の方は、ユニ・チャーム(株)企画本部広報IR室 TEL:03-6722-1019

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