2018年10月16日
岡山県立大学デザイン学部と、抵抗感なくはくことができる“理想の尿もれケアショーツ”を研究
「機能性」「快適性」に加え、「意匠性」の重要度が高いことを実証
2018年10月12日(金)~14日(日) 2018年度日本デザイン学会秋季企画大会で発表
ユニ・チャーム株式会社(本社:東京都港区、社長:高原豪久)は、岡山県立大学デザイン学部 三原鉄平准教授と共同で、抵抗感なくはくことのできる理想の尿もれケアショーツを研究しました。この研究結果の一部をご報告します。
研究結果のまとめ
- 尿もれケア パンツタイプに抱くイメージは、87%の方が「介護や老人のためのもの」との回答結果となりました。
- 尿もれケア用品の満足度を、科学的に測定できる評価尺度を開発しました。
- 尿もれケア用品には「機能性」「快適性」に加え、「意匠性」(デザイン)が重要であることが確認できました。
- 理想の尿もれケアショーツ実現のために、「機能性」では「体に沿っている」点、「快適性」では「ゴワつかない」や「モタつかない」点、「意匠性」では「服の表面に響く」「服を選ばない」「年齢にふさわしい」点を改善する必要性が示唆されました。
研究の概要
研究対象年齢: | 30~70歳代 |
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研究対象年齢: | 267人 |
研究の条件: | 尿もれ経験者、100㏄以上尿もれパッド使用者 |
研究期間: | 2015年9月~2018年4月 |
研究方法: | 自記式の質問調査 対談形式によるインタビュー調査 |
研究の背景
近年、40歳以上の女性で3人に1人は軽い尿もれを経験しており、軽い尿もれは誰にでも起こる可能性があることとして知られています。当社は、ライナーやパッド形状の尿もれケア専用品『チャームナップ』を1997年に発売し、抵抗感なくご利用いただき、普段通りの生活を過ごせるよう、尿もれケア専用品の普及活動に力を入れてきました。
そこでこの度、生活シーンを気にせず普段の下着と変わらない理想の尿もれケアショーツを開発するため、岡山県立大学デザイン学部 三原鉄平准教授と共同で、尿もれケア用品のショーツの形状で求められる開発条件について研究をしました。
研究の結果
尿もれケア パンツタイプに抱く高齢者イメージ
- 尿もれケア パンツタイプに関する印象調査から、87%の方が「介護や老人のためのもの」と認識していることが明らかになりました。
その理由として、「股上が深く大きい」「足の周りに白いフリルがある」「白色単色」などが影響をしている事が分かりました。
尿もれケア用品の満足度を科学的に測定できる尺度を開発
- 「機能性」5項目、「快適性」5項目、「意匠性」5項目の計15項目で構成された、尿もれケア用品の主観的な満足度を測定できる評価尺度を開発しました。
- 「機能性」「快適性」に加え、「意匠性」(デザイン)の重要性が確認できました。
尿もれケア パンツタイプと普段の下着+尿もれケア専用シートの満足度比較
- 「機能性」「快適性」「意匠性」の3軸で比較
- 尿もれケア パンツタイプは普段の下着+尿もれケア専用シートと比べ、特に「意匠性」の満足度が低いことが明らかになりました。
評価尺度が示唆する理想の尿もれケアショーツ
- 尿もれケア パンツタイプは、普段の下着+尿もれケア専用シートと比べ、特に6項目※を改善する必要があることが示唆されました。
- 6項目とは、「機能性」では「体に沿っている」点、快適性では「ゴワつかない」や「モタつかない」点、意匠性では「服の表面に響く」「服を選ばない」「年齢にふさわしい」点のこと。
「尿もれケア パンツタイプ」満足度が低い項目への評価者の声
「機能性」に関する評価者の声
「体に沿っている」項目
- ウエストのゴム部分がブカブカして、浮きそう。(69歳 女性)
- 足回り、股間にもゴムでフリル状になっていて体に沿わない。(53歳 女性)
「快適性」に関する評価者の声
「ゴワつかない」「モタつかない」項目
- お腹のあたりがごわごわして、しなやかさがなく不快な感じ。(68歳 女性)
- 大きくてすべてが厚くて自分のものではないと思った。(69歳 女性)
意匠性に関する評価者の声
「服の表面に響く」「服を選ばない」「年齢にふさわしい」項目
- おへその上まであって、パンツからはみ出す。しゃがんだ時に気づかれる。(57歳 女性)
- 足のまわりにフリフリがあってパンツに響きそう。(57歳 女性)
- 単色で白い色が、すごくおばあちゃんの紙おむつのように感じる。(41歳 女性)
岡山県立大学デザイン学部 三原鉄平准教授のコメント
本研究では、尿失禁ケア用品の主観的満足度を測定できる尺度を開発することで、尿失禁ケア用品に対する満足度を定量的に評価することが可能となりました。またその評価尺度を用いて、科学的根拠を伴った介入点が明らかとなり、実際の尿もれケアショーツ開発に応用されました。実証と開発がパラレルに進捗した今回の取り組みは、実学研究の理想的な姿であると感じています。
本研究結果は、
2018年10月12日(金)~14日(日)2018年度日本デザイン学会秋季企画大会で発表しました。
ホームページ http://www.design.kyushu-u.ac.jp/~jssd18f/
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