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2016年05月20日

應義塾大学と共同検証 「感性アナライザ※1」による脳波測定
生理用ナプキンの違いにおけるストレスを検証

つけ心地の良いスリムナプキン※2を装着すると、ストレスを感じにくいことを実証

ユニ・チャーム株式会社(本社:東京都港区、社長:高原豪久)は生理用品市場を牽引するメーカーとして、女性をサポートする為の様々な商品やサービスを提供しています。今回、女性の月経周期における感性変化と生理用ナプキンのつけ心地が女性のこころに及ぼす影響について、慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科准教授の満倉 靖恵氏と共同で検証しました。

  • 感性アナライザ(慶應義塾大学満倉准教授と株式会社電通サイエンスジャムの共同開発)とは、ヘッドセットをつけて簡易的に計測した生体信号を解析し、5つの項目「好き」「興味」「集中」「ストレス」「眠気」について評価結果をビジュアル化できる簡易脳波計。
  • つけ心地の良いスリムナプキンとは、薄さと柔らかさを両立することで、しなやかな柔軟性を実現したナプキンをさす。

検証のまとめ

  • 感性変化を測定し、月経周期を月経期・卵胞期・排卵期・黄体期に区分けし解析したところ、生理周期との相関傾向があり、また、月経期は「ストレス」が高い傾向があった。
  • 生理用ナプキンの違いにおける「ストレス」を検証したところ、つけ心地の良いスリムナプキンは、一般的なナプキンに比べ、装着時にストレスを感じにくい女性が2.3倍いることを実証できた。

検証の背景

近年、社会進出やライフスタイルの変化に伴い活動的な女性は増える中、月経周期によるホルモン分泌の変化から、体調が不安定になったり、悩みやストレスを抱えるなど、心身ともに影響を受ける女性も多くいます。

当社は、生理用品市場を牽引するメーカーとして、女性をサポートする為の様々な商品やサービスを提供しています。今回、女性の月経周期における感性変化と生理用ナプキンのつけ心地が女性のこころに及ぼす影響について、慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科准教授の満倉 靖恵氏と共同で検証しました。今回はその検証結果の一部について、ご報告いたします。

《月経周期(生理周期)について》

月経周期は、月経が始まった日から次の月経が始まる前日までをさします。

ユニ・チャーム「ソフィ」サイト内、「ソフィ生理辞典 生理の基礎情報 月経のしくみ」より引用

月経期:受精卵が子宮内膜に着床すれば妊娠成立します。妊娠しなかった時は、黄体ホルモン・卵胞ホルモンともに分泌が減少し、要らなくなった子宮内膜は血液と一緒に体外へ排出されます。

卵胞期:卵胞刺激ホルモンの働きにより、卵巣にある原始卵胞のひとつが発育し始めます。増殖期ともいいます。

排卵期:卵胞ホルモンの分泌がピークに達すると、黄体化ホルモンが分泌され、卵胞から卵子が飛び出す排卵がおこります。

黄体期:排卵後の卵胞が黄体という組織になり、黄体ホルモンが分泌されます。分泌期ともいいます。

検証① 月経周期による感性変化について

概要について

検証対象:20代女性 4名

検証期間:2015年5月~2016年2月 毎日計測

検証方法:毎日起床直後に基礎体温を測定する。その後、取得した脳波を1秒毎に感性値として出力する感性アナライザを用い、左前頭葉に位置する箇所の脳波を15分間計測し、取得した脳波を「好き」「興味」「集中」「ストレス」「眠気」の5つの感性にそれぞれ分析し、指標化した。そこで得られた結果を、「黄体期」「月経期」「卵胞期・排卵期」に区分けして、解析した。

検証の結果

まず、起床直後の基礎体温は不安定の被験者も多く、月経周期を低温期と高温期に分類することが困難であった。続いて、感性アナライザを用いて測定した感性変化を解析したところ、生理周期との相関傾向があり、また月経期は被験者4名のうち3名で「ストレス」が高い傾向が見られた。

生理周期とストレスの相関係数例

生理周期とストレスの相関係数例

検証の考察

感性アナライザを用いて感性変化を測定したところ、生理周期との相関傾向があり、そのうち月経期は「ストレス」が高い傾向があることが示唆された。

(本来、月経周期の中でも月経前症候群の症状をとらえることが重要視されることから、「黄体期」を判別する為に行われた検証である。「黄体期」の識別検証では「ストレス」「集中」「眠気」を用いて特徴量を解析した結果、識別が可能であることが示唆された。)

検証② 生理用ナプキンの違いにおけるストレスを検証について

「検証① 月経周期による感性変化」より、月経期において「ストレス」が高い傾向が検証されたことに続き、生理用ナプキンの違いにおけるストレスについても検証した。

概要について

 検証対象:20~30代女性 非月経期 20 名

 検証期間:2015年9月~10月、2016年1月~3月

(1)生理用ナプキンの違いによる感性評価

感性アナライザを装着し「ショーツのみ着用」「つけ心地の良いスリムナプキンを装着」「一般的な生理用ナプキンを装着」のそれぞれの状態で、「安静-装着-安静-歩行-安静」の動きを各5分ずつくり返し、感性を測定した。安静時間は統一して座位安静、開眼で同一壁を見て過ごした。試験順は、ショーツの装着を最初に行い、ナプキンの試験順は、ランダムに実施した。

検証の結果

別に行った「ショーツのみ着用」時のストレス値波形において、Λ型の特徴を示す方が多くいた。

「ショーツのみ着用」のストレス値波形例

「ショーツのみ着用」のストレス値波形例

そして、ナプキン装着時の『安静-歩行-安静』の動きにおけるストレス値の波形形状ではV型とΛ型の特徴が見られ、「つけ心地の良いスリムナプキン」の時はΛ型の波形を、「一般的なナプキン」の時はV型の波形の特徴を示す方が多くいた。

(2)VAS(Visual Analog Scale)による検証と結果

続いて、安静時の状態で「ショーツのみ」「つけ心地の良いスリムナプキン」「一般的なナプキン」時の主観値について評価をした。それぞれの主観のうち「つけ心地の良いスリムナプキン」は「つけ心地がよい」「体に馴染む感じ」の点で、高い評価を頂いた。

検証の考察

感性アナライザで測定した感性データから「つけ心地の良いスリムナプキン」を装着した時は、脳波の波形がΛ型を示し、ショーツのみでも同様の傾向が得られた。一方で、「一般的なナプキン」装着時は異なるV型を示した。このことから「一般的なナプキン」は装着していること自体にストレスを感じ、「つけ心地の良いスリムナプキンの装着」は、ショーツのみと同様に、着けていることにストレスを感じていないことが示唆された。

また、VAS評価で「つけ心地の良いスリムナプキン」は、「つけ心地がよい」「体に馴染む感じ」点で高い評価を頂いたことから、ナプキンのつけ心地が、装着によるストレスと相関があることが推測される。

研究参加メンバー

慶應義塾大学理工学部 システムデザイン工学科    満倉 靖恵氏

ユニ・チャーム株式会社 生活科学研究グループ     寺岡 裕美

ユニ・チャーム株式会社 生活科学研究グループ     菅  文美

ユニ・チャーム株式会社 生活科学研究グループ     鈴木 未央

ユニ・チャーム株式会社 生活科学研究グループ     石川 浩樹

慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科 満倉 靖恵氏のコメント

今回、「ショーツのみ」「つけ心地の良いスリムナプキンの装着」で確認されたΛ型は、ストレスが無い状態から歩くことによるストレスを感じ、歩き終えるとストレスが無くなったことを示しています。一方で「一般的なナプキンの装着」で確認されたV型は、ナプキン装着自体のストレスを感じる状態が、歩くことで気が紛れ、歩き終えると再びナプキンによるストレスを感じることを示したものになります。今回の検証によって、ナプキンのつけ心地とストレスに相関性があることに加え、装着違和感の無いナプキンを選択することで、ナプキン装着によって生じるストレスを軽減できることが実証できました。

当社のコメント

今回の感性アナライザの検証により、ナプキンの選び方でストレスの感じ方に違いが出ることがわかりました。当社では、生理に関する様々な商品やサービスを提供することで、生理中においても、できるだけ普段どおりに快適に過ごして頂けるような活動を、今後も行ってまいります。

学会発表

今回の研究について、「月経周期による感性変化について」の一部は、サービス学会第4回国内大会(日時:2016年3月28日~29日、場所:神戸大学)にて発表しました。

 <<本件に関するお問い合わせ先>>

一般メディアの方は、ユニ・チャーム(株)商品広報G 石黒・別所 TEL:03-6722-1067
流通業界紙・誌の方は、ユニ・チャーム(株)営業企画部 TEL:03-6722-1007
消費者の方は、ユニ・チャーム(株)お客様相談センター TEL:0120-423-001

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