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えらぶ つかう めぐらせる

使い捨てない未来のために、
“新習慣をつくる”という挑戦

便利で清潔な暮らしを支えてきた、使い捨て衛生用品。その価値を守りながら、いかに環境負荷を低減していくか――。

今、ユニ・チャームは「えらぶ つかう めぐらせる」をキーワードに、この問いに真正面から向き合い「衛生用品は使い捨てが当たり前」という常識を根底から覆そうとしています。

その取り組みのひとつが、使用済み紙パンツ(紙おむつ)を、再び紙パンツへと生まれ変わらせる、“水平リサイクル”に挑戦する「RefFプロジェクト※1」。その中核を担う、Recycle事業推進室の川端訓功に、“使い捨てない”未来をつくる挑戦の背景と、今後の展望を聞きました。

様々なRefFの商品

  • ※1 RefFプロジェクト
    使用済み紙パンツを独自のオゾン処理技術で洗浄・殺菌・漂白し、新品同様のパルプとして再利用する世界初※2の「水平リサイクル」です。
  • ※2 オゾン処理技術を使用したパンツから紙パンツへの水平リサイクル技術について(2020年12月ユニ・チャーム調べ)

なぜ今、「えらぶ つかう めぐらせる」が必要なのか

衛生用品の持続可能性が求められるようになった経緯を教えてください。どのような危機感があったのでしょうか?

当社では、パーパスに「SDGsの実現」を掲げ、社会課題の解決と事業成長の両立を追求してきました。振り返ると、「女性の社会進出」という社会課題に応える形でフェミニンケア事業へ参入。また、「高齢化社会」のニーズに対応して紙パンツの事業が拡大していきました。社会課題の解決が事業成長につながるという歴史があります。

一方、「使い捨て」を前提とした商品は、今の時代に適さなくなってきました。これからの未来において、商品の品質を保ちながら「資源の循環」の仕組みを築くことが求められています。

衛生面や機能面からサステナブルな習慣が根付きにくい領域ですが、あえて「えらぶ つかう めぐらせる」という選択肢を提示した狙いは何ですか?

衛生用品により、清潔で便利な暮らしを提供できるようになった反面、ごみの増加という社会課題も生まれています。高齢化社会により、可燃ごみに占める紙パンツの割合は年々増加しており、焼却時のCO2排出量の増大や処理負担の拡大を、深刻な課題と受け止めています。

私自身、大人用紙パンツの商品開発に携わり、介護現場を観察してきた経験から、大人用紙パンツはご本人とその介護者の生活の質を高める為に必要不可欠であり、同時に、企業として社会に与える影響と責任も大きいと感じています。

お客様の利便性を保ちながら、環境負荷を減らし、持続可能な社会を実現していく。その試みのひとつが「えらぶ つかう めぐらせる」という提案です。サステナブルな商品を「えらぶ」、ごみを減らせるように「つかう」。そして、「RefFプロジェクト」の資源の再資源化により「めぐらせる」。この仕組みを築き上げることが、私たちの新たな挑戦です。

商材ならではのプライドと矜持――二律背反への葛藤

「機能を一切下げられない」という絶対条件と環境配慮の両立には葛藤もあったかと思います。具体的にはどのようなプライドを持って向き合っていますか?

単に「資源の使用量を削減する」ことは簡単ですが、お客様には「製品の品質を落としている」と受け止められかねません。私たちは商品開発で「製品価値を保持・向上」しながら、「環境負荷を軽減」していくことを両立できると考えています。

「RefFプロジェクト」ではリサイクルパルプ(RefFパルプ)を活用しながら、従来製品とほとんど同じ品質を担保しています。さらに、パッケージのインク使用量を削減。環境負荷を抑える製品設計を、開発・マーケティング部門と連携して進めてきました。

「RefFプロジェクト」において「オゾン処理」でパルプを再生する仕組みのイメージ。使用済み紙パンツをユニ・チャームが独自開発した「オゾン処理」によって、衛生的かつ再度紙パンツの原材料に使用可能な安全性を確保しています。

「えらぶ つかう めぐらせる」を生活者に受容してもらう難しさや、態度変容のキーポイントは何でしょうか?

当社が2024年に実施した「日用品とサステナブル意識・行動に関する調査」によると、回答者の約7割が「サステナビリティを意識した行動をしたいと考えているが、何をしていいかわからない」と回答しています。

つまり、環境への意識は多くの方が持っていますが、具体的な行動の指針がない。そこで、私たちは「えらぶ」でよりサステナブルな製品の選び方を、「つかう」で具体的な使い方をご提案しています。

「えらぶ」
=環境負荷の低減につながる商品選びの提案

「つかう」
=ゴミの量を削減する使い方の提案

「めぐらせる」
=再資源化による、資源循環への参加

例えば、「えらぶ」で、システムトイレの『デオトイレ』を選択すれば、猫砂を使うよりもごみの量を約52%削減※3できます。

※3 当社の固まるタイプの石砂比 1カ月のゴミの重量で比較(ユニ・チャーム調べ)

また、『ライフリー うす型軽快パンツ』と『ライフリー ズレずに安心 紙パンツ用尿とりパッド』を組み合わせて、「つかう」ことで、ごみの量を約20%削減可能です。

「めぐらせる」では、RefFブランドを知り、使っていただく機会を増やすことで、お客様が負担を感じることなく、循環のシステムに参加できます。

商品の「利便性やコストパフォーマンス」と「サステナビリティ」はトレードオフではなく、両立できると考えています。

「めぐらせる」に込めた想い――未来への責任

消費財をつくるメーカーとして、「めぐらせる」仕組みをつくることは、これまでのビジネスモデルを根本から変える大きな挑戦です。想いを教えてください。

製品の性能が良いのはもちろん、「介護」「生理」「育児」などの社会課題と「環境負荷低減」の解決を両立させることが必要になります。少ない資源で製品機能を高めるのは、決して簡単なことではありません。加えて「社会課題を解決する」というミッションは非常に大きなチャレンジです。

とくに、使い捨てが当たり前の紙パンツを「めぐらせる」には、再資源化の技術に加え、生活者のみなさんに、ごみの分別に参加いただかないと成り立ちません。「一緒に未来を創っていく」に共感していただくことで、「共生社会の実現」へとつながっていくと思います。

5年後、10年後、さらに遠い未来、今のRefFの挑戦を振り返ったとき、どのような光景が「当たり前」になっていてほしいですか?

当社のコーポレート・ブランド・エッセンス「Love Your Possibilities」には、すべての“人(Your)”が秘めている限りない“可能性(Possibilities)”を信じ、その可能性を“慈愛(Love)”にあふれた利他の心で発揮することで、互いに支え合う「共生社会」の実現にユニ・チャームが貢献したい、という想いが込められています。

限られた地球資源を「めぐらせる」ことによって、人々がいきいきとした生活を送ることが当たり前の社会であってほしいですね。

個人的には、どのような製品であっても、グローバルなサプライチェーンの中でモノづくりが成り立っていることを思うと、「めぐらせる」を根付かせるために、日々の生活の中で様々な国や地域の資源や素材の恩恵を受けていること、そしてそれに関わる方々への「感謝」の心を持つことが大切だと考えています。

「RefFプロジェクト」も一人でできるものではなく、多くの方々と協力し、連携して実現できるものです。生活者のみなさんをはじめ、ご家族やご友人、そして、これから生まれてくる命すべてに対して、思いやりを持った日常生活を過ごし、心も体も豊かに暮らせる社会を創っていきたいと思います。

川端 訓功(かわばた くによし)プロフィール

Recycle事業推進室チーフテクノロジスト。自ら手を挙げて2022年から「RefFプロジェクト」に参画。現在は使用済み紙パンツから、パルプ・高分子吸水材(SAP)・プラスチックを再生する再資源化の技術開発・品質担保や原料の販路開拓まで、幅広い役割を担っている。

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