2022年01月01日
2022年 年始のご挨拶
ユニ・チャーム株式会社
代表取締役 社長執行役員 高原 豪久
「One and Only」 唯一無二を目指して
謹んで新年のお慶びを申し上げます。
旧年中は、皆様より格別なるご支援とご厚誼を賜り、心より御礼申し上げます。
2022年の年初にあたり、ご挨拶をさせていただきます。
コロナがもたらした生活習慣の変化
コロナ対策を目的とした人流抑制により、リモートワークの浸透や休日も「ステイホーム」が定着する中、自分を見つめ直す時間が増えたため、「より自分に合った商品・サービスを選択したい」という意識が高まりました。特に日本のように、すでに出回っている商品・サービスに対する満足度が高い成熟市場においては、コロナによって「より安全、より安心」なものを求める動きが強くなっています。また、ワークライフバランス等についても見直す人が増え、育児や介護、パートナー・アニマル(ペット)との向き合い方等、様々な事柄に関する価値観に大きな変化を及ぼしました。
このような消費者の生活習慣や価値観の変化に適切に対応した新たな付加価値をもたらす商品・サービスは、従来品に比べて価格も一定程度のプレミアムを獲得しています。一例ですが、消費者が品質などにおいて「信頼できる」と評価した不織布マスクや除菌ウェットティッシュなどは、過去に比べて大きく市場規模が拡大しました。
なお、日本の消費者は、家族一人ひとりに合わせて商品を細かく使い分ける傾向があり、家族形態に関わらずスモールマス化しています。例えばですがマスクなどは、年齢や性別、社会人か学生か、どのような場面で着用するか、使用目的は何か、などによってセグメントが細かく分かれ、家族それぞれが「私はこれ!」というものを選んで使用するといった使い方が浸透しています。
中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2030」の着実な実行
このような消費者の意識の変化は、企業に携わる全てのステークホルダーに「企業の存在価値とは何か?」「企業は、どのようにあるべきか?」を深く考えさせる機会となりました。昨今「パーパス(企業の存在価値)に照らした経営」が注目されるのも、このような背景があればこそだと思います。当社では以前より「事業活動そのもので社会に貢献する」ことを標榜していましたが、80を超える国・地域で約1万6千人ものグループ社員が活動する規模にまで拡大したことを踏まえ、改めて当社のパーパスを「SDGsの達成に貢献すること」と定めました。
このパーパスをより具体化するために、2020年10月に中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2030 ~For a Diverse, Inclusive, and Sustainable World~」(以後、KLV2030)を公表しました。KLV2030では「私たちの健康を守る・支える」「社会の健康を守る・支える」「地球の健康を守る・支える」「ユニ・チャームプリンシプル」の四つの分野にそれぞれ五つ、合計20の重要取り組みテーマ・指標・目標を設定しました。
どの活動もスタートしたばかりですが、一例を上げますと「さまざまな負担からの解放を促し、生きる楽しさを満足することに貢献する商品・サービスの展開」の一つとして、ウイルス飛沫の感染を対策しながら、口元や顔の表情が視認できる、『unicharm 顔がみえマスク』を昨年四月に発売しました。聴覚に障がいを持つ方だけでなく、保育や介護、教育の現場など多くの方々にご利用いただいております。
また今年は、鹿児島県志布志市、大崎町と取り組みを進めている「使用済み紙おむつリサイクル事業」おきまして、リサイクルパルプを用いた商品の販売を計画しています。
このようなリサイクルと合わせて、より少ない資源で今まで以上の付加価値が提供できるような商品の開発を加速するとともに、工場で使用する電力の再生可能電源への切り替えなどを強化し、引き続き事業を通じて環境問題・社会課題の解決に努めます。
「One and Only」
「2030年、世界一の実現」を標榜するに当社にとりまして、継続的な「差別化」による市場でのトップシェア獲得が一つの指標にはなります。しかしながら、それはあくまで「相対的な価値」に過ぎません。本当の意味で「世界一」になるには、当社の企業理念である「NOLA&DOLA」や「共生社会の実現への貢献」といった「絶対的な価値」を実現することが必要と考えています。
2022年は、この「絶対的な価値」にこだわり、「One and Only :絶対価値において唯一無二の存在、かつ、相対価値においてナンバーワン」の企業に成長することを目指します。
このような想いを込めて2022年の一文字には【一】を掲げることとしました。
「世界【一】に向け、世界中のユニ・チャーム社員【一】人ひとりが、夫々の自律と想いの強さを支えに着実に【一】歩ずつ成長し、必ず『One and Only』な企業となる」という強い決意をした次第です。
皆様におかれましては、本年も旧に倍するご指導ご鞭撻を賜りますよう、どうぞ宜しくお願い申し上げます。