moony ちいさな いのち応援プロジェクト NICUの赤ちゃんが健やかに育つ環境づくりをサポートしませんか? 2018年結果報告

 

NICUの赤ちゃんが健やかに育つ
環境づくりをサポートしませんか?

ちいさな いのち応援プロジェクトNICUの赤ちゃんが健やかに育つ環境づくりに向けて、
2018年8月1日~9月30日で「ちいさな いのち応援プロジェクト」を実施させて頂きました。

<参加⽅法>

moonyブランドをご購入いただき、ポイント登録をベビータウンにて行ってください。
その際に「ちいさな いのち応援プロジェクトに賛同する」というボタンを押していただくと、1回あたり10円がNICUに寄付されます

(※2018年8月1日~9月30日の期間のプロジェクトとなります。)

ありがとうございます。
3,485,110
の寄付が集まりました。

皆様の賛同を受けて集まった基金は、DC研究会さまを通じてNICUへ3つのモノとして提供されます。

  • 1音量測定器

    日々の動作で生じる突発音があるNICUでの音環境は、聴覚の発達と成熟に影響を与える可能性があります。日頃からNICUの音環境を把握する必要があります。

  • 2光フィルター(保育器カバー)

    NICUの光環境は赤ちゃんの心拍数や呼吸数などに影響を及ぼすことがあります。保育器にカバーをかけ、光環境を調整する必要があります。

  • 3医療従事者へのディベロプメンタルケアセミナー開催支援

    ディベロップメンタルケアとは、外的ストレスをできる限り最小限にした環境のもとで、赤ちゃんの成長や発達を促していこうとするケアです。研究会の開催支援を行います。

  • DC研究会:日本ディベロップメンタルケア研究会。ディベロップメンタルケアの実践と普及を目的に有志の医師や看護師で結成された団体です。
  • 寄贈品は追加になる可能性があります。

「ちいさな いのち応援プロジェクト」では
寄付と合わせてみなさまからNICUに入院する赤ちゃん、
NICUに携わる方々への応援メッセージも頂いておりました。

今回は722
の方から応援コメントを頂きました。
数多くの応援コメントをお寄せ頂きありがとうございました。

 

日本ディベロップメンタルケア※1
研究会へ
NICU※2の環境づくりに関する
器具を贈呈

贈呈式にて代表者の写真

贈呈した騒音計測器

■贈呈式の内容

11月5日(月)ユニ・チャーム本社にて、NICU※2において音環境を整えるための騒音計測器20台を、日本ディベロップメンタルケア※1研究会へ贈呈しました。今後、ディベロップメンタルケア※1に携わる医療従事者の勉強会も開催される予定です。

【日本ディベロップメンタルケア※1研究会名誉顧問 仁志田 博司氏 コメント】
この度はご協力ありがとうございました。今回いただいたお気持ちは、研究会の活動として、あたたかい心に満ちた人間的ケアを多くの医療従事者が学んでいけるよう、活用させていただければと思います。
【日本ディベロップメンタルケア※1研究会会長 大城 昌平氏 コメント】
皆様よりあたたかな支援をいただき、本当にありがとうございます。現場でもオムツはとても優しく感じられ、赤ちゃんにとってよい影響を与えると好評です。これからも、NICU※2で過ごす赤ちゃんたちへのよりよいケアにご協力いただければと思います。

■寄付に関して

いただいた寄付は、NICU※2において、よりよい治療を行っていくために活用されます。

<騒音計測器>
お母さんのお腹の中にいたときのように静かで心地よい環境を保ちます。
<医療従事者へのディベロップメンタルケア※1セミナー開催支援>
ディベロップメンタルケア※1(成長発達ケア)を学び、赤ちゃんとご家族へよりよいサポートをしていきます。
<助産師さん、看護師さんの資格取得支援>
NIDCAP※3Professionalという新生児のケアに関する資格取得をサポートします。

当社は、今後も、NICU※2で育つ赤ちゃんや
ご家族、医療従事者への支援を行ってまいります。

  • ※1:ディベロップメンタルケアとは、低出生体重児や、何らかの病気を持って産まれた赤ちゃんに対して、外的ストレスをできる限り少なくした環境のもとで、赤ちゃんの成長や発達を促していこうとするケアのこと。
  • ※2:NICU 新生児集中治療室。Neonatal Intensive Care Unitの頭文字をとったもの。
  • ※3:NIDCAP 新生児個別発達ケア評価プログラム。Newborn Individualized Developmental Care&Assessment Programの頭文字をとったもの。

皆様から頂いた応援メッセージ

※一部を掲載させて頂いております

  • 現在2ヶ月の子をもつ母です。わたしの子は低体重児ではありませんでしたが、手術のため新生児の間に入院し、NICUでしばらくお世話になりました。NICUのスタッフの方々の手厚いサポートのおかげで、安心して病気と向き合うことができたと思っています。今、NICUで頑張っている赤ちゃんとそのご家族、そしてこれから生まれてくる赤ちゃんにとってよりよい環境になるよう、応援しています。

  • 病院勤務のものです。日頃小さな赤ちゃんに接することの多い仕事をしているので、企業さんのこういう働きに大変感謝します。最近、とても小さな赤ちゃんも無事に退院したことがニュースになりますが、退院までの間、NICUの先生、看護師みなが24時間絶え間なく努力をしており、またご両親も赤ちゃんを抱ける日まで頑張っていらっしゃいます。その中で、小さいオムツだったり、飲みやすい哺乳瓶だったり、お洋服だったり、そういうところで協力してくださる方がいるのは、ありがたいです。(少し前までは、オムツは小さいサイズはなくパットを切って、看護師さんの手作りでした)このようなサイズのオムツを作るようになったきっかけ、またNICUの赤ちゃんの中には頑張ったけれども天国へ旅立った赤ちゃんもいます。悲しいけれど、その真実をみなさんにも伝えていただきたいと思います。

  • 私は不妊7年で、第一子を授かり出産しました。また、姉の長男は早産で産まれNICU、GCUに3ヶ月ほど入院しました。子供を授かり出産し育ていくのは、奇跡だとおもいます。医療関係者の方々の偉大なる力があるからこそ私は母になれ、姉の子も1175gで産まれたにもかかわらず、もうすぐ1歳を迎えれます!本当に感謝が尽きません。また、現在そして、この先も同じような子はたくさんいるとおもいますが、その子たちも、救われ日々幸せに成長できること願ってます。

  • 2歳と1歳の女の子を育てています。私の子供たちは幸運にも何も問題なく生まれることができました。テレビでNICUの特集などをみると、同じ親として心が痛みます。ほんとに、大変な思いで、親御さんは過ごされていると思います。それを支えるドクターや看護師さんにも、頭が下がります。どうか、お体に気をつけて、小さな赤ちゃんを救ってあげてください。

  • うちは、500グラムで誕生。NICUにお世話になりました。今では毎日通ったNICUも懐かしいけど当時は必死でした。。少しでも小さな命ががんばれるよう応援したいです。

  • うちは双子で、1人が1900グラムだったためNICUに入りました。治療はもちろん、スタッフの方達の気遣いや、優しさに救われました。今や2人とも成長曲線を上回る程に大きくなりました。とても感謝しています。NICUを必要とする赤ちゃんはたくさんいます。陰ながら応援させて下さい。

  • 赤ちゃん大好きです。将来は助産師になって沢山の赤ちゃんを守れる人になりたいです。

  • うちの息子も2165gの低出生体重児で産まれ、用意していた新生児用オムツでは大き過ぎたので入院中に慌ててネットショッピングでナチュラルムーニーの3Sを購入し、1ヶ月間3Sサイズにお世話になりました。息子を出産するまでは新生児サイズよりも小さなオムツがあることさえ知りませんでした。小さく産まれた赤ちゃんは何もかもが大きくて不便なことが多いので、ぴったりなサイズで使えるオムツがあるというのはとてもありがたいことだと思います。小さく産まれた赤ちゃんのママは、きっとみんな少なからず『ゴメンね。』という気持ちを持ってしまって、他のママよりもナーバスになってしまいがちなので、ブカブカじゃないオムツを履かせてあげられるだけでも少しは気持ちが晴れると思います。ステキな活動ありがとうございます。

  • 我が子もNICUでお世話になりました。こういった企業のサポートもあるのだと知り、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。ちいさないのちを守るために、自分もできることをしていこうと思います。

  • 未熟児で生まれて、2か月近く、NICUで治療を受けていた姪が、先日結婚しました。ずっと昔、私が兄と呼ぶはずだった赤ちゃんは亡くなりました。医療の進歩に感謝すると共に、一人でも多くの命を救うために、出来る事があればと思いました。さすがユニ・チャームです。応援しています。

2019年度 APIB (Assessment of Preterm Infants' Behavior:早産児行動評価)トレーニングの開催・受講のご報告

日本ディベロップメンタルケア(DC)研究会
顧問 仁志田 博司
会長 大城 昌平

私達、日本ディベロップメンタルケア(DC)研究会は、小さく生まれた赤ちゃんとご家族の医療や支援に関わる看護師等の専門職者への教育支援などを通して、小さく生まれた赤ちゃんとご家族の成長発達と親子の関係性の育むディベロップメンタルケアの思想と理論、技術を発展させ、新生児医療の改善と子どもたちとご家族の未来を築く活動を推進していきます。この度、「ちいさな命 応援プロジェクト」(ユニ・チャーム様企画)によりのご寄付を活用して、Joy Brown先生(米国・コロラド大学)を講師に迎え、2019年度APIB (Assessment of Preterm Infants' Behavior:早産児行動評価)トレーニング(7月30日~8月7日)を開催いたしました。皆様のご支援に、心より感謝申し上げます。
APIB は、小さく生まれ赤ちゃんの神経行動の発達評価方法です。この評価方法を活用することで、赤ちゃんの発達状況がより良く把握でき、より適切な看護ケアや発達支援、育児支援が可能となります。今回のAPIBトレーニングが、赤ちゃんとご家族のケアと支援、新生児医療の発展につながることでしょう。受講の方々の感謝の言葉と、トレーニングの成果をご報告申し上げます。

  • <佐藤裕美さん:愛仁会高槻病院 NICU看護師長>

    「ちいさな命応援プロジェクト」により頂いたご寄付により、7月31日から8月3日までの4日間、早産児行動評価(APIB)研修を受講させていただきました。この場をお借りして、皆様の支援に深く感謝申し上げます。
    私は、NIDCAPを2010年から学び、看護科長としてNICUに勤務しています。ケアの面から赤ちゃんの成長を支援することを大切に病棟スタッフとともに取り組んでいます。
    早く生まれた赤ちゃんは急速な成長をNICUで遂げていきます。赤ちゃんのより良い成長にとって、早産児の成長に必要なことを提供し、良くないと考えられることを可能な限り少なくすることへの取り組みとして、NIDCAPというプログラム、APIBという赤ちゃんの成長の評価を行う方法がアメリカで開発され、日本でも取り組みを行っています。
    赤ちゃんの求めていることや必要なこと、また良くない事を理解するには、赤ちゃんの言葉である反応や行動を学ぶ必要があります。このAPIB研修では、発達の専門的な知識を土台にAPIBの検査と評価の仕方を学びます。赤ちゃんの反応や行動を観察し、様子を判断しつつ、体に触れ、評価することが出来る、新生児の発達を支援する専門家の育成を目指しています。赤ちゃんは、肌の色、呼吸の仕方、目の動き、体の動かし方、目覚め方、呼びかけに対する応答など多くのサインを出しています。どの赤ちゃんも、自分自身を落ち着かせ、休憩を求め、多くの調整を図りながらAPIBの検者の質問に答え(対応し)ており、学習すればするほど赤ちゃんのもつ力に驚かされます。講師のJoy Brown先生は常々、検査は対話、その人を理解するためのコミュニケーションと話されています。小さな命を理解するための学びは、赤ちゃん自身の安定した日常生活、ご家族がお子さんを理解し育児を行う手助けとなり、そして医療スタッフの教育指導により質の高い医療者の育成にもつなげていきたいと考えています。未来に向けて一歩ずつDC研究会、APIB研修生メンバーで取り組んでいきたいと思います。

  • <内海加奈子さん:東京都立墨東病院 NICU助産師>

    2011年にNIDCAPプロフェッショナルとなり、「すべては小さく生まれた赤ちゃんとそのご家族のために」という心構えで、看護を実践してきました。時を経てNIDCAPの指導を担当するトレーナーになることを求められ、NIDCAPトレーナー研修の一環として、全国のトレーナー候補生とともにAPIBを学習させていただきました。
    今回のトレーニングでは、1年前のAPIBトレーニングから現在までのAPIB自己学習の内容と成果の報告を行い、実際に4症例のAPIB検査とスコアリングを実施しました。Joy先生からは「検査手技の獲得は順調である、検査の進め方と対応の感覚は素晴らしい、スコアリングをだいぶ理解できている」とコメントをいただきました。次回のトレーニングは信頼性評価(認定試験)となるため、症例を重ねて自己学習を継続することを課題として示されました。
    APIBのスコアリング項目は全部で287あり、とても複雑なプログラムです。しかしその分、小さく生まれた赤ちゃんの発達状況や様子を詳しく、正しく理解することができます。APIBの知識は、話すことができない赤ちゃんの様子を知るための重要な観察の視点となります。この知識は根拠を踏まえた教育として活用することができるので、全国の医療従事者にセミナー等で広く伝達していきたいと思います。また、小さく生まれた赤ちゃんは環境やケアで赤ちゃんの様子が大きく左右されるため、それらの調整もケアの一環であることも合わせて伝えていきたいと考えています。それと同時に、赤ちゃんの発達状況を私たちが理解し、ご家族と共有することがとても大切です。ご家族の赤ちゃんに対する理解が進むことは、退院の支援はもとより、赤ちゃんの可能性を広げることにもつながると感じています。
    今回のトレーニングでご支援いただきましたDC研究会の皆様、施設の皆様、関わってくださったすべての皆様に深く感謝いたします。

  • <藤本智久さん:姫路赤十字病院 理学療法士>

    今回、1期生のトレーニングは、7月31日から8月3日まで、姫路赤十字病院で行われました。初日には、サイトコンサルテーション(施設管理者との会議)も開催され、副院長や看護部長をはじめ関連部署の方々に参加いただき、研究会の大城昌平会長とJoy Browne先生からNIDCAP Japan トレーニングセンターの構想やAPIBについて、説明していただきました。院内の方々にもNIDCAPとAPIB、そしてトレーニングセンター設立に向けての取り組みについてご理解いただけたとうれしく思っています。
    今回のトレーニングは、Joy先生からよく言われていた「NBAS(Neonatal Behavioral Assessment Scale:新生児行動評価)は赤ちゃんの評価(検査)だが、APIBは赤ちゃんとの対話である」ということを実感できるトレーニングでした。私は、2003年にNBASの認定をいただいていたので、大まかな検査手順は、理解していたつもりでしたが、APIBでは操作方法は似ていてもその手順や見る視点は全く違っており、なにか次の検査をするときには、いつも赤ちゃんをみて、答える準備ができてから検査を通じて問いかけ、そしてその答えを待つということ、そのためには、自分がしっかりとリラックスして落ち着いていないといけないこと、そしていつも赤ちゃんに集中していることなど、今までしているつもりでしっかりとできていなかったことが良く分かりました。
    最終日には、私がAPIBを実施し、スコアリングのトレーニングを実施しました。最終のJoy先生からのフィードバックで、APIB の手技とスコアリングについて信頼性があり、しっかりと赤ちゃんと対話が出来ていたと言っていただき、今回のAPIBトレーニングでは、最初にAPIB Professionalの認定をいただくことができました。これも、今まで多くの経験や機会を与えていただいたDC研究会の皆様と関係者の皆様、そして実際のトレーニングをしていただいたJoy Browne先生、通訳のジョンソン伸子さん、そして快く検査をさせていただいた多くの赤ちゃんとそのご両親、院内の関係スタッフの皆様のおかげであると感謝しております。
    今後は、入院中の早産児の介入でAPIBを利用し、さらにNIDCAPとAPIBをうまく使い分けて実施していきながら、赤ちゃんとご家族のサポートができるよう臨床で応用していきたいと考えています。

    ご指導頂いたJoy先生(左二人目)と、受講生(右から)佐藤さん、藤本さん、内海さん

  • <大竹洋子さん:東京都立小児総合医療センター NICU看護師>

    看護学校卒業後、念願の小児科病棟に勤務することができ、大好きな子供とその家族との関りわりは、看護師としての大きな成長にも繋がり、子供たちの頑張りは私の勇気にもなりました。そして、月日が流れ、新生児の病棟、いわゆるNICUに就くこととなり、小児看護の原点は、ここNICU にあったことを確信しました。それは、赤ちゃんの力と家族の絆の強さであり、そこに関わることは、私の看護師として喜びにもなっています。さらに、NIDCAPを学ぶ機会を得たことで、赤ちゃんの行動から赤ちゃんのパワーを知ることとなり、看護師としての原動力になっています。2011年NIDCAP Professnalの認定を経て、NIDCAPトレーナーを目指す中、APIBトレーニングは、私自身待望のトレーニングの始まりでもありました。APIBとは、早産児で生まれた赤ちゃんの健康な満期の生後一か月に相当する成長段階の行動を評価する検査のことをいいます。NIDCAPの行動観察では、赤ちゃんには実際には触れず、しぐさから評価します。そして、医療スタッフのみならずに、ご両親も一緒にできるケアに繋げます。APIBは、成長した赤ちゃんの行動を、別のツールにより、実際に触れることで知ることになります。これまでたくさんの困難を乗り越えてきた赤ちゃんの新たな力を触れ合いの中で知ることになり、NIDCAPでの学びが活かされると確信しています。トレーニングは始まったばかりですが、これまでの学びを元に、関わる赤ちゃんとそのご両親に、赤ちゃんの未来を見据えたサポートに繋げることが出来るよう、ご支援いただきました皆様に心より感謝しつつ、日々研鑽していきます。

  • <森口紀子さん:愛仁会高槻病院 GCU看護科長>

    8月5-7日の3日間、高槻病院で開催されましたAPIBトレーニングに参加させていただきました。初日、トレーニングを前に、緊張で身の引き締まる思いをしていましたところ、トレーナーのJoy先生から、「赤ちゃんの行動を引き出す時に、自分の心の在りようが鏡となり赤ちゃんに影響する。赤ちゃんの前に立つ時、心を穏やかに落ち着かせるように」との言葉をいただきました。私たちが乱れた心で赤ちゃんに向き合うと、その心はその手に伝わり、乱れたハンドリング(手技)は、赤ちゃんの発達し続ける脳神経細胞に影響を与える可能性を示唆するものです。
     NICUを卒業する前に、小さく早く生まれた赤ちゃんの多くは画像診断の検査を受けます。しかし医療技術がどんなに進んで、画像診断などで脳の構造はわかっても、微細な脳機能への影響まではわかりません。赤ちゃんの脳神経細胞は最初にたくさん作られ、その後の経験いかんによって、その神経回路は必要なところに太く早く情報を伝えられるように育っていきます。APIBでは、退院前の赤ちゃんへ、様々な問いかけを通して、赤ちゃんの可能性を探り、脳の機能を見極め、ご家族が赤ちゃんの強みと課題とすることを理解し、関わっていける道標をお伝えできるものです。
    2009年から日本で本格始動したNIDCAPトレーニングですが、レベル1のNIDCAP professional認定までに2-3年、その後、レベル2のNIDCAPトレーナーになるためには、Trainers-in-Trainingの受講と共に、APIB認定が求められます。現在、NIDCAP JAPANは、その一歩手前まで辿り着きました。私たち日本ディベロップメンタルケア(DC)研究会のメンバーの思いは、日本人が日本語によるトレーニングを開催し、新生児医療に関わる多くの医療者が、NIDCAPが大切にしている赤ちゃんの個別性に着目した赤ちゃんの声(行動)に心を寄せ、こども達の脳機能があたたかい心を育めるよう支援できるような環境を作りあげていくことです。APIB認定には多くの経験と忍耐が求められますが、赤ちゃんの強みを引き出せる問いかけを正確に行えるようこれから研鑽してまいりたいと思います。
    多くの皆様のご協力に感謝申し上げますと共に、今後ともあたたかいご支援のほどお願いいたします。

    前列右からご指導頂いたJoy先生と通訳のジョンソン伸子さん、後列右から受講生の森口さんと大竹さん

皆様のご支援に、重ねて深く感謝申し上げます。日本ディベロップメンタルケア(DC)研究会では、これからも小さく生まれた赤ちゃんとご家族の“あたたかな心を育む”ことを目標に、専門職者の教育支援を推進して参ります。皆様の引き続きのご支援をお願いいたします。