ユニ・チャームの価値創造プロセスと重要課題

統合レポート2019 Integrated Report

  • 社長メッセージ
  • ユニ・チャームの概要
  • 商品開発対談
  • ユニ・チャームの持続可能な成長ストーリー
  • 財務・非財務ハイライト
  • 環境変化とユニ・チャームのアプローチ
  • 事業別概況
  • ユニ・チャームの価値創造プロセスと重要課題

ユニ・チャームの重要課題

3 地球環境への貢献

基本的な考え方・方針

紙おむつや生理用品など、使い捨て商品を製造するユニ・チャームにとって、地球環境に配慮したモノづくりは、決しておろそかにできない重要な課題です。そこで、木材を原料とするパルプを使用すること、使い終わった商品を焼却処分する際のCO2排出量に着目し、紙おむつのリサイクルシステムの実現に取り組んでいます。ライフサイクルを通した循環型モデルを構築して、地球環境保全と経済的成長を両立し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

ユニ・チャームの重要課題

ユニ・チャームの重要課題SDGsへの貢献
当社の取り組みは、国連 持続可能な開発目標(SDGs)の右記の目標にも合致すると考えます。自社の強みを活かし、世界共通の課題解決に向けてより一層貢献していきます。

取り組みの背景

紙おむつリサイクルは当社が果たすべき責任
高齢社会にあって、大人用紙おむつの生産量は年々増加し続けています。それに比例して、焼却処分される使用済み紙おむつの量も増加し、家庭から排出されるごみのうち、紙おむつの体積は、全体の8分の1に達しています。焼却コストや、ごみ焼却に伴うCO2排出量も増加していることになります。また、紙おむつは木材を原料とするパルプを使用しているため、使用量が増えれば、森林資源を消費することにもなります。
EUでは2030年までに都市廃棄物の65%をリサイクルする目標を掲げ、使用済み紙おむつリサイクルに取り組み始めています。当社も、ごみ焼却コストとCO2排出量、資源の有効活用、あらゆる側面を改善する取り組みとして、2015年から使用済み紙おむつのリサイクル事業化への取り組みを開始しました。紙おむつメーカーである当社が果たすべき責任であると考え、技術開発や実証実験に取り組んでいます。

ユニ・チャームの取り組み

紙おむつのリサイクル技術の開発

紙おむつ再資源化に向けた取り組み
独自のリサイクルシステムを構築

ユニ・チャームの重要課題

当社の使用済み紙おむつ再資源化プロジェクトは2015年にスタートし、処理効率を高めることで、焼却と同等の処理費用に抑えながら、未使用素材と同等のパルプへと再資源化するシステムを実現しました。

ユニ・チャームの目指す紙おむつの循環型モデルの例
回収した使用済み紙おむつを洗浄・分離し、取り出したパルプに独自のオゾン処理をすることで、排泄物に含まれる菌を死滅させ、バージンパルプと同等に衛生的で安全なパルプとして再資源化します。また、洗浄・分離時に使用する処理水を再利用し、処理の効率化と排水量の低減化を実現。さらに、広島大学との共同研究で、再生濃縮排水を浄化して発電する技術を開発し、2017年には、微生物燃料電池処理の基本特許を取得しました。

ユニ・チャームの重要課題

志布志市と共に進めるリサイクルシステム
使用済み紙おむつリサイクル事業を実現するためには、自治体や回収業者により、使用済み紙おむつを回収することが必要不可欠です。そこで2016年5月から、鹿児島県志布志市の協力の下、使用済み紙おむつリサイクルシステムの実証実験を行っています。2020年までに志布志市内で本格的な分別回収と再資源化を目指しています。
国内外で普及可能なリサイクルシステムを確立することを目標として、志布志市周辺の市町村との協働も進めています。全国各地で使用済み紙おむつの分別回収と、再資源化が実現できるよう、取り組みを強化しています。

紙おむつリサイクルにおける人と環境へのやさしさを検証
リサイクルシステムの採用が、実質的にどのような効果をもたらすか、さまざまな観点から検証を行いました。使用済み紙おむつを焼却して、バージンパルプから新しく作る場合に比べ、温室効果ガス排出量は大幅に低減できることが明らかになりました。温室効果ガスは一般的な焼却処理に対して87%削減することができます。また、再生パルプの衛生面の安全性についても、バージンパルプと同様の高いレベルであることが確認できました。

ユニ・チャームの重要課題

事業所でのエネルギー・廃棄物削減

工場から出る廃棄物を商品化し廃棄物ゼロ※1を実現

ユニ・チャームの重要課題

紙おむつの製造工程において、生産時に発生するロス品、生産工場から廃棄される紙管や集塵パルプ・紙粉、端材(トリム)など※2、リサイクルしにくい形態や素材の廃棄物が発生します。ユニ・チャームでは、これらの廃棄物について再利用ができないか検討を重ね、猫の排泄ケア用品の材料への活用を実現、試行錯誤を経て、2011年に廃棄物を利用した「おしっこのあとに消臭する紙砂®」を上市しました。現在は、紙おむつの製造工程で出てしまう廃棄物の他に、焼却処理していた使用済みの切符や切手、壁紙などリサイクルしにくい素材も材料に活用し、資源の有効利用を進めています。

※1 埋立最終処分

※2 図>紙おむつの製造工程で発生する廃棄物参照

ユニ・チャームの重要課題

ユニ・チャームの重要課題 デオサンド®香りで消臭する紙砂®
国内外の工場から廃棄物を集め、古紙と一緒に細かく切り、おむつに入っていた高分子吸収材は分別します。細かく切った材料を固めて紙砂®の粒を作り、色をつけた粒に高分子吸収材や紙粉をまぶして紙砂®ができあがります。おしっこで濡れた部分はしっかり固まり、固まった部分だけを簡単に焼却ゴミとして捨てられる、環境配慮型商品です。

商品を通じたCO2の削減活動の取り組み

ユニ・チャームの重要課題エコ・チャーミングマーク商品の開発
紙おむつや生理用品など、使い捨て商品を製造するユニ・チャームにとって、地球環境に配慮したモノづくりは、決しておろそかにできない重要な課題です。そこで、木材を原料とするパルプを使用すること、使い終わった商品を焼却処分する際のCO2排出量に着目し、紙おむつのリサイクルシステムの実現に取り組んでいます。ライフサイクルを通した循環型モデルを構築して、地球環境保全と経済的成長を両立し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
当社では、環境目標のなかに環境配慮型商品比率を設定し、環境を意識した商品開発に取り組んでいます。2005年度を基準年としてライフサイクルで環境負荷低減を実現できているか評価し、環境性能が向上した商品を「環境配慮型商品」と定義しています。認定については、開発と独立したCSR本部にてLCA(Life Cycle Assessment)を算出し認定しています。2018年は、環境配慮型商品比率目標83%を達成しました。2019年は、さらなる拡大を目指します。
また、「環境配慮型商品」の概念をさらに発展させて持続可能な社会への適合を推進する上位商品を、「エコチャーミング商品」として定義しています。この基準をクリアした商品も現在では158品目に上ります(2017年より、パーソナルケア商品に加えてペット用商品、業務用商品に対しても認定を行いました)。
今後も、環境配慮型商品のさらなる導入による調達資材のCO2排出量削減や、使用後廃棄時のCO2排出量削減を推進していきます。

ユニ・チャームの重要課題気候変動緩和の具体的計画としてのSBTの活用
当社は気候変動緩和策の具体的な対応計画立案のため、国際的イニシアチブである「SBT(Science-based Targets/科学的根拠に基づく目標)」に2017年5月より賛同し、2050年までのシミュレーションを行い削減計画の立案を進めています。SBTと協議し2℃目標に整合した計画として、2018年6月に日本で17番目の認定を受けました。

生鮮食品の食品ロス削減とおいしさ維持を実現
当社は40年以上前から、スーパーマーケットで販売されている鮮魚・精肉の下に敷かれているトレーマットの製造・販売を行っていました。従来のトレーマットは、肉や魚から出るドリップ(血液などの水分)を吸い取る機能しかなかったため、商品がパサパサに乾いたり、マットと接する部分がベタベタになったりして鮮度劣化の原因の一つになっていました。そこで当社は長年培った不織布・吸収体の加工・成形技術を応用できないか検討を行い、2001年、吸水するだけではなく、鮮度保持機能を持った “フレッシュマスター”を新発売しました。“フレッシュマスター”は余分なドリップのみを吸収してみずみずしさを保ち、フィルム表面にドリップを残さないので雑菌の繁殖を抑制して食材の傷みを防ぎます。さらに通気性フィルムが空気を通すため、廃棄の原因となっていた肉や魚の変色が少ないことから、現在では多くのスーパーマーケットでご利用いただいています。
このような鮮度保持機能に高い評価をくださったお客様のなかから、飲食店などの生鮮食材の仕込みや保存にも使用したいとのニーズが生まれ、2003年には大判の“フレッシュマスター鮮度保持吸水シート”を飲食店やスーパーマーケットのバックヤード向けに販売を開始しました。「従来キッチンペーパー類で冷蔵保存した場合に1日で変色や臭みが発生して廃棄されていたものが、このフレッシュマスター鮮度保持吸水シートを使うと3、4日は問題無く保存できるので廃棄ロスを削減できる」と、使用された料理長から喜びの声をいただいています。さらに、近年トレンドとなっている魚や肉の「寝かし」が、変色や臭み発生を防止して実施できるということで、すし店などでも評価されています。
「食品ロス」とは、食べられるのに捨てられてしまう食品をいいます。農林水産省によれば、国内全体の食品ロスの約5分の1が外食産業から排出されるそうです。食品ロスを削減して、食品廃棄物の発生を減らしていくことは持続可能な社会のために重要です。当社が行った飲食店ヒアリングでは、フレッシュマスターを使用することで食品保存ロスが減ったという感想をいただいています。今後も食品ロスの削減に貢献できるよう、商品開発を進めていきます。

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