社外取締役対談

統合レポート2018 Integrated Report

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社外取締役対談

社外取締役対談

ユニ・チャームの強みである「変化対応力」を磨く

社外取締役として何を伝えているか

御立 ユニ・チャームの取締役会は実質的な議論を行っていると思います。監査等委員3名のうち2名が社外取締役ですが、「監査等委員」ですから全員が株主の立場で発言する機会が多いですね。藤本さんはどのような印象をおもちですか?

藤本 2015年に監査等委員会設置会社に移行してから、取締役会の雰囲気がずいぶん変わってきましたね。私はまず、高原社長をはじめ執行役に自由に話してもらい、気になる点はしっかり伝えるという姿勢で参加しています。長らく銀行で異業種を含めたさまざまな企業を見てきましたので、取締役会ではそうした経験をお伝えしたいと思っています。

御立 同感です。ユニ・チャームでは、取締役会だけでなく、社内の戦略的な議論の場に社外取締役も参加することが多くあります。私もコンサルタントとして国内外の企業を見てきた経験から、異なる視点を補完して持続的な企業価値の向上に貢献できればと思っています。

持続的成長へのリスクと機会

写真:取締役監査等委員(社外取締役)御立尚資

御立 ユニ・チャームは、アジアを中心とした積極的な海外展開で成長を遂げてきました。他の業界を見ても、ユニ・チャームほどの企業規模でアジアでトップシェアを獲得している企業は恐らく他にはありません。リスクをとったからこそ、欧米の大手企業と競合しながらここまで成長できたのだと思います。社外取締役として、適切なリスクをとりながら、「見落としているリスクはないか」「これ以上リスクをとったら危ない」「ここはもっとリスクをとるべき」と伝える役割を担っていければと考えています。

藤本 これだけグローバルに事業を展開すると、自然災害や地政学リスクをはじめとした不測の事態に直面するリスクが高まります。先日も、インド工場で火災事故が発生しましたが、万が一の場合の備えは改善の余地があるように思いますね。

御立 おっしゃったように、事故発生後の対応策のマニュアルを整備しておくことは必要です。ただ、ユニ・チャームは想定外のことが起こった後の復元力は強いと思います。リスクから逃げるだけでは成長はできませんので、リスクに対する備えはしっかり行い、とるべきリスクはとる。このバランスが大事ですね。また、グローバルに事業を拡大するなか、グローバルレベルでのサプライチェーンの構築も進めるべきです。一方で、機会については、どのように考えていますか?

藤本 海外ですと、中国やインドネシアなど、現在進出している地域でさらにエリアを拡大すること。それ以外では、ロシアなどの東欧圏、アフリカも今後の成長が期待できる地域ですね。

御立 成長が期待できる国・地域に他社に先駆けて進出していかないと高いシェアは確保できません。アジア以外の地域でニューフロンティアをどうやって作っていくかが重要です。いま、世界的にeコマースが拡大しており、日本から中国への「越境EC」が爆発的に伸びています。こうしたデジタル化の流れは恐らく新興国の方が早く進みますので、市場の変化に対応して持続的に成長できるように舵取りを行う役割を執行役が担い、社外取締役としてはそれを支えていきたいです。

藤本 国内についてはどう考えていますか?

御立 国内の今後の成長を牽引するのは大人用紙おむつとペットケア用品ですが、市場が成熟化するなかでは、単に製品を提供するだけでは差別化できず、サービスの提供の仕方で勝ち抜く時代になります。例えばIoTと製品・サービスを組み合わせ、介護をする人、される人双方の負荷を飛躍的に軽減するような新たなビジネスモデルを構築することが必須になります。

藤本 高齢者は癒しを求めますので、高齢化の進展に伴ってペットケア用品の需要の拡大も見込まれます。近年、ペット用品へのお金のかけ方が変わってきたように、消費者のニーズは著しく変化しています。変化するニーズに的確に応えることで持続的に成長できるはずですし、社会課題の解決にもつながります。

御立 国連の予測では、世界人口は2100年に112億人とピークを迎えると言われており、インドやサブサハラアフリカを除けば、2050年代以降は世界中で高齢化が進展します。世界で最も高齢化が進む日本で社会課題を解決する新たなビジネスモデルを確立し、海外に展開することができれば大きなビジネスチャンスになります。この分野ではユニ・チャームが日本企業であることが大きな強みになります。

写真:取締役監査等委員(社外取締役)藤本公亮

藤本 ベビー用紙おむつや生理用品など市場が成熟している分野についても、ニーズを作り出すという発想に転換することで成長が可能だと思います。

御立 おっしゃる通りです。日本初のオーガニックコットン配合のベビー用紙おむつ「ナチュラルムーニー」は安心・安全を求めるニーズの掘り起こしにつながりました。また、マスクも冬のウイルス対策、春の花粉対策のみならず、通年使用の提案を実施してきた結果、売上は10年前の4倍以上となっています。

藤本 IoTを駆使して店頭でのお客様の購買行動を分析し、売り場づくりや販売方法を見直すこともニーズの掘り起こしにつながります。実際に、ペットケア用品での実証実験ではお客様の購買行動に明確な変化が確認できていますので、他の商品への横展開を期待したいですね。

成長を支える人材の育成

藤本 さらなる海外事業の拡大のためには、人材をどうやって手当てするかが重要ですね?

御立 これまでは国内の経験豊富で優秀な人材を積極的に海外に派遣し、国内で確立した勝ちパターンを海外の現地の文化に合わせて移植して成功してきました。しかし、今後もスピード感をもって海外展開を進めるためには、海外の現地で採用した社員をマネジメントレベルに育成していくことが求められます。ユニ・チャームはM&Aも何件か行っていますが、自力で海外事業を拡大することを基本とするベンチャー精神のある企業です。
現地のスタッフと日本人スタッフが一緒に地道にやるスタイルを維持しながら、どのようにやっていくかですね。

藤本 海外の現地法人の経営は、その地域の言葉や文化に精通した現地の人が担うのが理想ですが、当面は、日本人が主導していかなければなりません。そのためには、なるべく多くの人材を若いうちから海外に派遣していく必要があります。

御立 ユニ・チャームでは、世代別に部門の垣根を越えて社員を集め、会社の中長期的な戦略を議論するというユニークなプロジェクトを行っています。こうした取り組みを広げ、各世代の人材に海外の修羅場を経験させるのも効果的かもしれません。こうした取り組みを通して外国人や女性の社員を育成することで人材の多様化が進み、環境変化への対応力がさらに高まると思います。
高原社長が「共振の経営」とおっしゃっていますが、私はユニ・チャームの特徴の一つに「コミュニケーションの密度の濃さ」があると思っています。ファウンダーの時代から、ものすごい頻度でトップから社員へのコミュニケーションが行われてきましたし、何をやるべきかを上司と部下が徹底的に話し合います。今後、進出地域がさらに広がったときに、どのようなカルチャーの人にも密度の濃いコミュニケーションを図れるかは、当社にとっての大きなチャレンジになります。これが実現すれば、真の意味での「共振の経営」の実現になると思います。

リスクへの対応力を次世代のマネジメントに伝える

写真:取締役監査等委員(社外取締役)藤本公亮

藤本 ユニ・チャームの経営陣については、どのように評価していますか?

御立 ユニ・チャームは急成長してきた企業なので、若くして経営に就いた人が長い間に亘って舵取りを行っています。そのため、事業の隅々まで把握しており、リスクをとっても大きな失敗がないことが強みとして挙げられます。政治も含めてあらゆる環境が激変する新興国での経験を次世代の経営陣に伝える、これが今後の大きな課題だと思います。

藤本 いま、社長の秘書に若手社員を就けて経験を積ませていますね。経営者の考えを理解できる人材を増やすには良いことだと思います。

写真:取締役監査等委員(社外取締役)御立尚資

御立 グローバルに長く続いている企業ではたいてい同様の制度がありますが、ユニ・チャームでは日本では珍しいぐらい意図的に取り組んでいます。こうした取り組みをマネジメント層にも広げることが求められます。2017年12月にはこれまで1名だった副社長が3名になりましたが、これもその一環でしょう。ユニ・チャームは、ファウンダーが築き上げた基盤のもと、高原社長のリーダーシップでこれまで成長してきました。高原社長の考え方とDNAを次の世代に伝えることで、ユニ・チャームの強みであるリスクへの対応力を次世代の経営陣にも引き継ぐことができるはずです。

目指すべきユニ・チャームの姿

御立 いま、世界的にESG(環境、社会、ガバナンス)の大波が訪れています。ESG投資で選ばれるのは、「社会との共生」と「持続的成長」を追求して、その双方で価値を創出できる企業です。ユニ・チャームは消費財メーカーですが、使い捨て商品を取り扱う責任の大きさを認識し、地球環境に配慮したモノづくりを行っており、使用済み紙おむつを再資源化する技術も確立しています。

藤本 紙おむつの生産量が増え続けるなか、社会の関心は高いはずですが認知度が高いとは言えません。その辺りはPR不足かもしれません。

御立 その通りですね。欧米の大手企業には企業規模ではかなわない分、絶えずイノベーションでニューフロンティアを開拓していかないといけません。

藤本 巨大な競合と真っ向勝負をする必要はありません。ユニ・チャームの強みを活かした事業を展開していくべきです。そのために、長い間の銀行勤務で培ってきた経験を活かせればと考えています。

御立 企業規模が小さいということは、環境変化に迅速に対応しやすいという利点もあります。また、経営陣の考えを組織の末端にまで伝えやすいので、イノベーションを企業カルチャーにしやすいということでもあります。現代は、変化のスピードが従来よりも飛躍的に速まっています。ユニ・チャームの強みを消すことなく、社外取締役の立場から持続的な企業価値向上に貢献できればと考えています。

写真左:取締役監査等委員(社外取締役)藤本公亮 写真右:取締役監査等委員(社外取締役)御立尚資

ユニ・チャームの持続可能な成長ストーリー

 

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