社長メッセージ

統合レポート2019 Integrated Report

  • 社長メッセージ
  • ユニ・チャームの概要
  • 商品開発対談
  • ユニ・チャームの持続可能な成長ストーリー
  • 財務・非財務ハイライト
  • 環境変化とユニ・チャームのアプローチ
  • 事業別概況
  • ユニ・チャームの価値創造プロセスと重要課題

社長メッセージ

Message from the President

売上・コア営業利益ともに過去最高を更新し、収益性も改善

2018年12月期の連結業績は、売上高は466億円(7.3%)増収の6,883億円、コア営業利益は83億円(9.5%)増益の951億円となり、売上高、コア営業利益ともに過去最高を更新しました。日本においては引き続き日本製の需要の高い中国への輸出の拡大や高付加価値化の推進で高収益性を維持し、アジアにおいても中国、ベトナム、インドで高い成長を実現したほか、インドの黒字定着、インドネシアの収益性改善などによって、広告宣伝費や物流費、原材料価格の上昇などの影響を吸収し、コア営業利益率は0.3ポイント上昇の13.8%となり、収益性も着実に改善しています。また、2020年12月期で終了する第10次中期経営計画の目標である売上高年平均成長率7%、コア営業利益率15%、ROE15%に対しても、順調に推移しています。
当社は1961年に建材の製造販売会社としてスタートし、1963年に「女性が生活のなかで感じる不安や不満を少しでも解消したい」との思いから生理用ナプキンの製造・販売を開始しました。かつては建材事業のほか、幼児教育事業や結婚情報サービス事業、リゾート事業などを展開しておりましたが、2000年代から事業ポートフォリオの再編を図り、現在は生理用品分野で培った不織布・吸収体の加工・成形技術を活かし、ベビーケア用紙おむつや、大人用排泄ケア用品、ハウスホールド商品、ペットケア関連商品などで共通する「不織布・吸収体の加工・成形技術」に特化した事業領域に経営資源を集中し、幅広いお客様に向けて約80の国と地域で事業を展開しています。引き続き、「尽くし続けてこそNo.1」の精神で持続的な成長の実現を目指してまいります。

国内・海外売上高推移

まだまだ成長余地が大きい不織布・吸収体商品市場

ユニ・チャームが提供する商品は、清潔で健康的な生活のためには欠かせないものであり、世界中で需要が拡大しています。先進国では、高齢化に伴って大人用排泄ケア用品やペットケア用品の需要が高まっています。一方、新興国では、経済成長に伴ってこれまで生理用品やベビー用紙おむつを使用していなかった方々の需要が顕在化しています。また、所得水準の高まりによりアジアでも高付加価値商品の需要が高まっています。さらに、今後は日本や中国と同様にアジア各国での高齢化の進展や、高品質な日本製品需要の拡大、また、大地震などや大規模自然災害によって生じる事業活動の中断を最小限に抑えるため、2019年、福岡県に1993年以来となる国内4拠点目の九州工場を竣工しました。当社グループを取り巻く事業分野の世界市場は、新興国、先進国の両方でまだまだホワイトスペースは残されており、市場のポテンシャルは非常に高いと考えています。

企業理念と第10次中期経営計画

日本をはじめとした成熟国での少子高齢化、地球全体規模の環境問題、新興国の貧困・衛生問題など、持続可能な開発目標(SDGs)やパリ協定に提示されているように社会的課題が多様化しています。サステナビリティの実現を目指して環境・社会・ガバナンスを重視するESGの観点からそれらの課題を本業で解決していくこと、それがユニ・チャームの企業理念「NOLA&DOLA」の実現です。「NOLA&DOLA」には、「赤ちゃんからお年寄りまで、生活者がさまざまな負担から解放されるよう、心と体をやさしくサポートする商品を提供し、一人ひとりの夢を叶えることに貢献し続けたい」という想いを込めています。「いつまでも、その人らしく生きることを支え続ける」ことが当社の使命であり、「NOLA&DOLA」の理念のもと、あらゆる世代の人々がともに生きる「共生社会」の実現に向けて取り組んでいます。この実現に向けて、行うべき施策を具体的な行動計画に落とし込んだものが、現在進行中の第10次中期経営計画です。1961年の創業から今日までの活動を振り返ると、「NOLA」で表現している“不”の解消については一定の貢献を果たせたものの、生活者の“夢”をかなえる「DOLA」の領域での貢献はまだまだこれからだと考えています。「DOLA」の実現による第10次中期経営計画の達成と持続的成長に向けて、デジタル技術を活用し、生活者の価値観が変化する方向を見極め、持続可能な開発目標(SDGs)達成とユニ・チャームの目指す共生社会の実現に取り組んでまいります。

第10次中期経営計画(IFRSベース)

新たなマネジメント手法「OODA-Loop」で環境変化への対応力を強化

経営環境の変化に合わせてマネジメント手法も刷新しました。ユニ・チャームは従来、週次でPDCAサイクルを回す「SAPS手法」を運用してきました。しかしながら、IT技術の進化やグローバル化によって、世界中でさまざまな変化が予測の幅を超えて発生し、その変化が常態化しているニューノーマルな時代においては、従来の「SAPS手法」では、計画立案時に想定していなかった大きな環境変化に見舞われると柔軟に対応できないと判断しました。変化が常態化した環境では、過度に時間をかけて計画を立てるより、行動しながら実態を観察し、常に「やり方自体」を臨機応変に見直すことが必要です。新たなマネジメント手法「OODA-Loop」では、現状を観察することから始めるため、計画にこだわり過ぎずに、柔軟性を持って現状を捉えることができます。また、現状をただ観察するのではなく、「課題の本質は何か?」ということを探ることが必要となります。従業員一人ひとりが自律神経を働かせ、現場での経験の積み重ねから磨かれた直観力を駆使して現場の状況が今後どのように変化するのかを予測し、今後のとるべき行動を決定して実際に行動する「OODA-Loop」。このOODA-Loop手法のもと、常に生活者を深く観察し、そこから得られた気づきをスピーディに商品やサービスに転換することによって、多様な世代がともにはつらつと生活する「共生社会」の実現を目指してまいります。

地球環境保全とガバナンスの強化

消費財メーカーであるユニ・チャームにとって使い捨て商品を取り扱う責任の大きさを認識し、地球環境に配慮したモノづくりを行うことは欠かせません。そのため、環境に対する重点課題として廃棄物を削減する循環型社会の構築、資源利用に配慮した持続可能な資源調達、バリューチェーン全体で気候変動の緩和を中期目標Eco Plan2020で設定し、推進しています。なかでも持続可能な社会への貢献と循環型社会の構築を目指す使用済み紙おむつの再資源化には特に注力し、未使用素材と同等レベル以上の品質に再生する技術を確立しました。現在、鹿児島県志布志市と共同で実証実験を行い、国内外で普及可能なリサイクルシステム確立に向けて推進しています。
また2017年にユニ・チャームグループ人権方針、サスティナブル調達ガイドラインを制定し、お取引先様とともに社会的責任を果たせるよう活動を推進しています。気候変動の緩和についてはTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures/金融安定理事会が設立した気候関連財務情報開示タスクフォース)を意識し、2018年6月にSBT(Science Based Targets/科学的根拠に基づく目標)認定企業となりました。今後はEco Plan2030としてより計画を具体化させ企業責任を果たしてまいります。
なお、グローバルな観点に立脚したステークホルダーの期待に応えるべく、業務執行に対する取締役会の監督機能強化、社外取締役の監査機能強化による意思決定プロセスの透明性確保及び効率性向上を目的として、2015年に監査等委員設置会社に移行しました。また、2019年3月の株主総会において、取締役会の構成を見直し、独立社外取締役が3分の1を占める体制としました。合わせて独立社外取締役2名、代表取締役1名、非業務執行取締役1名で構成する指名委員会、報酬委員会の委員長を社外取締役が努めることとし、意思決定プロセスにおける客観性を高め、監督と執行の分離のさらなる推進に取り組んでいます。

安定的かつ継続的な利益還元

当社は資本効率の観点からも、適正な利益還元を最も重要な経営方針の一つと考え、収益力向上のため企業体質の強化及び成長に向けた積極的な事業投資を行いながら、安定的かつ継続的な還元方針を堅持しています。
2018年12月期の期末配当金につきましては、当初の予定通り前期より4円増配の1株当たり24円としました。その結果、17期連続の増配となりました。
次期の利益還元につきましても、継続的な成長を実現するための事業投資を優先しながら、配当は、中長期的な連結業績の成長に基づき、安定的かつ継続的に実施し、自己株式の取得も必要に応じて機動的に実施することで、総還元性向の充実を図っていく方針です。なお、2019年12月期の年間配当金は1株につき4円増配の28円とする予定です。

当社は、事業を通じてお客様に貢献するのみならず、私たちを支えてくださる株主、お取引先、社員、社会など全てのステークホルダーに対して価値をもたらす正しい経営を推進し、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2019年3月
ユニ・チャーム株式会社
代表取締役 社長執行役員
高原豪久

ユニ・チャームの概要

 

このページの上部へ

Copyright© Unicharm Corporation

unicharm