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基本的な考え方・方針

消費財メーカーであるユニ・チャームにとって、使い捨て商品を取り扱う責任の大きさを認識し、地球環境に配慮したモノづくりを行うことは欠かせません。衛生用品としての安全性を確実に守りながら、紙おむつの商品ライフサイクルを通した循環型モデルの構築を進めています。地球環境保全と経済的成長を両立することで、持続可能な社会の実現に貢献します。

SDGsへの貢献

当社の取り組みは、国連 持続可能な開発目標(SDGs)の以下の目標にも合致すると考えます。自社の強みを活かし、世界共通の課題解決に向けてより一層貢献していきます。

ソーシャル・インパクト
環境配慮型商品率推移

取り組みの背景

ライフサイクル全体で環境にやさしい製品づくりを目指しています

紙おむつリサイクルは当社が果たすべき責任

おむつ焼却によるCO2排出量推移

高齢社会が進み、大人用紙おむつの生産量は増え続けています。それに比例し、焼却処分される使用済み紙おむつの量も増加。家庭から排出されるごみのうち、紙おむつの体積は8分の1に達し、焼却コストは増加しています。

また、CO2排出による地球温暖化問題は世界が直面する深刻な問題ですが、紙おむつを焼却処分すれば、相応のCO2を排出することになります。さらに、紙おむつの材料となるパルプは木材を原料としているため、パルプ使用量が増えることで森林資源を消費することにもなります。

ごみ焼却コストとCO2排出を減らすことは、経済的にも環境的にも大きな社会的価値のあることであり、同時に紙おむつを生産する当社が果たすべき責任でもあると考え、使用済み紙おむつのリサイクル事業化に取り組んでいます。

EUでは2030年までに都市廃棄物の65%をリサイクルする目標を掲げ、使用済み紙おむつのリサイクルに取り組み始めています。当社でも使用済み紙おむつの再資源化を目指し、技術開発や実証実験に取り組んでいます。

ユニ・チャームの取り組み

紙おむつの再資源化に向けた取り組み

当社の使用済み紙おむつ再資源化プロジェクトは2015年度から始まりました。それまでも、一部の使用済み紙おむつから、プラスチック(プラパルプ)と低質パルプが取り出され、プラパルプは固形燃料(RPF)などとしてリサイクルしてきましたが、紙おむつ焼却処理費用と同等のリサイクル処理費用の実現と、リサイクル物の価値向上が大きな課題でした。

こうした中、当社は事業の持続性を考え処理効率を高めることにより、焼却と同等の処理費用に抑えながら未使用素材と同等のパルプを再資源化する独自のリサイクルシステムの開発に成功しました。

ユニ・チャームが進化させている独自のリサイクルシステムとは

当社が2015年に開発したリサイクルシステムは、回収した使用済み紙おむつを洗浄・分離し、取り出したパルプに独自のオゾン処理を加えることで、排泄物に含まれる菌を死滅させ、バージンパルプと同等に衛生的で安全な上質パルプとして再資源化できるようにしました。

このシステムの量産化を実現するために、さらに技術を進化させました。紙おむつの「洗浄・分離」時に使用する処理水を再利用することにより、処理の効率化と排水量の低減を実現。また、北海道大学との産学共同研究により、高濃度排水から栄養塩(DCPD:リン酸水素カルシウム水和物)を回収する技術や高分子吸収ポリマーの再生技術を開発しています。広島大学との研究では、再生濃縮排水を浄化し、発電する実験を実施。2017年9月には、微生物燃料電池処理の基本特許を取得しました。

当社の技術開発・研究の蓄積の上に、大学の知見、研究も加え、独自のリサイクルシステムの開発に取り組んでいます。

※栄養塩は海の肥料の働きをし,特定のプランクトン増殖の要因ともなる。

ユニ・チャームの目指す紙おむつの循環型モデルの例

志布志市とともに世界で普及可能なリサイクルシステム確立へ

紙おむつリサイクル事業は、自治体や回収業者の協力なくしては実現しません。そこで、2016年5月から、鹿児島県志布志市において、自治体、回収業者との協働により、使用済み紙おむつリサイクルシステムの実証実験を行っています。

当社と志布志市の目標は、国内外で普及可能な紙おむつリサイクルシステムを確立すること。今後に向けたさまざまな可能性を検証しながら、2020年までには志布志市内で本格的な分別回収と再資源化を目指しています。

この活動は、一つの自治体だけにとどまらず、広く展開していかなければ意味がないため、志布志市周辺の市町村との協議も進めています。自治体や消費者の皆様のご理解をいただき、全国各地で使用済紙おむつの分別回収と、再資源化が実現できるよう、取り組みを強化していきます。

志布志市ご担当者の声
鹿児島県志布志市役所
市民環境課長
西川 順一 氏

使用済みおむつをリサイクルすべきだという思いは10年ほど前から抱いていました。しかし燃料として再利用するには環境への負荷が高く、パルプにするには高分子吸収ポリマー(SAP)が残る問題があり、なかなか実現化のめどがつかなかったのです。一緒に取り組んでもらえる企業を探していたところ、ユニ・チャームのホームページ「地球環境への貢献」を見て、私たちの思いとぴったり重なると思い、こちらからアプローチさせていただきました。2016年5月からともに実証実験へ精力的に取り組んでいただき、感謝しています。志布志市の「ものを大切に 人を大切に」というテーマに共感いただける自治体を増やしていくのが今後の目標の一つです。ユニ・チャームにも地球環境に配慮した企業活動をさらに進めていただき、他企業の手本となるような船頭役になることを期待しています。

紙おむつリサイクルにおける人と環境へのやさしさを検証

リサイクルシステムの採用が実質的にどのような効果をもたらすか、当社ではさまざまな観点から検証を行いました。使用済み紙おむつを焼却してバージンパルプから新しい紙おむつをつくった場合と、使用済み紙おむつをリサイクルして再び紙おむつにする場合の比較では(おむつ製造に係わる環境負荷は、バージンパルプでもリサイクルパルプでも変わらないものと想定しています)、温室効果ガス排出量、水資源および森林資源の使用量のいずれも大幅に低減できることが明らかになりました。また、オゾン処理後のパルプの衛生安全性についても、バージンパルプ同様の高いレベルで守られていることが確認されました。志布志市での実証実験からおむつ中のパルプの回収率を大幅に向上できたことにより乾燥エネルギーの削減等ができ、温室効果ガスは従来の埋立て時と比較して84%削減、一般的な焼却処理に対しては69%削減できることが明らかになりました。

○温室効果ガス排出量/埋立との比較

○温室効果ガス排出量/埋立との比較
※ 再資源化品による代替効果を含む

○温室効果ガス排出量/焼却との比較

○温室効果ガス排出量/焼却との比較
※ 再資源化品による代替効果を含む

担当者の声
ユニ・チャーム株式会社
グローバル開発本部
ニュープラットフォームセンター
部長
亀田 範朋

原材料をできる限り元の素材に戻し、再び紙おむつとして使用すること、その過程で別の形の素材やエネルギーを取り出すことを目標に開発を続けています。

志布志市の実証実験でこの技術を一刻も早く確立し、リサイクル商品を利用していただく資源循環型モデルにしていきたいと願い、自治体の皆様とともにチャレンジしています。この実証実験では、市民の方々、行政の方々から「ゴミ減量化の起爆剤になりそう!」「早くこのシステムを導入してほしい」「私たちの地域でも実験を進めてほしい」など、大きなご協力や励まし、期待の声をいただいています。

紙おむつはこれまで廃棄型ビジネスモデルとして続いてきましたが、持続可能な地球環境や、持続可能な事業を考えたとき、リサイクルおよび再資源化への転換は必要不可欠です。焼却処分されるゴミの山が、再資源化することで宝の山になる。この循環型ビジネスモデルを業界のデファクトスタンダードとしてグローバルに広げることで、持続可能な地球環境に貢献できると考え、日々、開発の仲間、自治体の皆様とともに必死でがんばっています。

 

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