サステナビリティサステナビリティトップへ

01
 

基本的な考え方・方針

世界一の高齢社会、日本。2007年には65歳以上の人口が21%を超え、「超高齢社会」に突入し、2025年には30%になると予測されています。医療の発展により平均寿命が長くなり、心身ともに自立し、健康的に生活できる期間である「健康寿命」への関心が一層高まってきています。年齢を重ねても、その人がその人らしく、豊かな社会生活を送ることは、誰もが願うことです。そのために、軽度の尿もれ用パッド、リハビリパンツなどを使った排泄ケアを通じて、活動的な生活をサポートし、健康寿命の延伸に貢献することはユニ・チャームの使命です。

認識する社会課題

社会の課題 ユニ・チャームの取り組み
・介護者の人材不足
・高齢者の増加に伴う医療費の増加
・地域における高齢者の孤立化
・高齢者の自立支援につながる排泄介護用品の提供
・認知症予防の取り組み
・ペットと共に暮らせる環境づくり

SDGsへの貢献

当社の「健康寿命の延伸」に関する取り組みは、国連 持続可能な開発目標(SDGs)の「3.すべての人に健康と福祉を」および「4.質の高い教育をみんなに」にも合致すると考えます。自社の強みを活かし、世界共通の課題解決に向けてより一層の貢献を目指します。

ソーシャル・インパクト

ソーシャル・インパクト
『ソーシャル・ウォーキング®』参加人数

「健康寿命の延伸」について当社では、後ほどご説明する「ソーシャル・ウォーキング」の参加者数を「ソーシャル・インパクト」指標としています。
「ソーシャル・ウォーキング」活動には、のべ3,080名の方にご参加いただきました。

取り組みの背景

高齢化が加速度的に進む一方、65歳以上の就業人口も増加し、年齢を重ねても介護を必要としないために運動に取り組むなど、健康を維持して、いつまでも自分らしく、いきいきと生活したいという意識が高まっています。

加齢に伴う老化現象(老年症候群)の中でも、尿もれなどの排泄トラブルは、メンタル面に大きな影響を与えます。尿もれの心配があると、外出を控えがちになり、運動不足になったり、社会との関わりが薄くなったりと悪い影響をもたらします。

適切なケアをすることで、それまで通りの活動的な生活ができることを広く知っていただき、よりよい商品を提供することは、健康寿命延伸への重要な鍵になると捉え、取り組みを続けています。

ユニ・チャームの取り組み

健康寿命の延伸に貢献するライフリー「ソーシャル・ウォーキング®」

ライフリー・ソーシャルウォーキングは、高齢者の「閉じこもり」や「認知症」を予防するためのプログラムです。認知症の予防には、趣味やボランティア、近所づきあいなどを通して人と関わる「認知的アプローチ」と、運動習慣やバランスのよい食事の「生理的アプローチ」との両面からのアプローチがよいとされています。尿もれなど、排泄トラブルがあると、家に閉じこもりがちになり、認知症にもつながってしまいます。

当社では、排泄トラブルがあっても、積極的に外出できるよう、排泄ケア商品の提供を通して、健康寿命の延伸に寄与してきましたが、そういった商品を使用しながら、運動と社会参加を促し、認知症予防に役立つ取り組みとして、ライフリー 「ソーシャル・ウォーキング」を開催しています。

2016年に考案し、各地で体験会を行ってきましたが、2019年には公益財団法人認知症予防財団と共同で、認知症予防「ソーシャル・ウォーキング サポートプログラム」を開始しました。より多くの地域で、より多くの方にご参加いただけるよう、ソーシャル・ウォーキングを開催してみたいという自治体や非営利団体に対して、体験イベントの開催を応援する新しい事業です。

ユニ・チャームプロダクツ九州工場で「ソーシャル・ウォーキング®」体験会を開催

2019年9月6日、福岡県京都郡苅田町にあるユニ・チャームプロダクツ九州工場において、「ソーシャル・ウォーキング」の体験会と工場見学が開催されました。認知症に関する講義や、排泄トラブルの予防と対処方法についてレクチャーを行った後、工場の敷地内でノルディックウォーキングを体験。両手それぞれにポール(ストック)を持ち、全身を使って正しい姿勢で歩くこととともに、普段の歩幅とポールを使ったときの歩幅の違いを確認し、効率よく有酸素運動ができることを体感していただきました。
参加者61名(平均年齢64歳)に行ったアンケートでは、97%の方より「体験に満足した」との評価をいただくことができました。また、78%の方からは「週3回以上(ソーシャル・ウォーキングを)生活に取り入れたい」と回答されるなど、その有効性を実感いただけました。

参加者の声(一部)

・70歳を過ぎ歩行に対して不安を感じていました。娘と参加できよい外出機会となりました。(70代男性)

・地域住民と一緒に世間話をしながら楽しくワイワイと歩くことができました。(60代女性)

・夫婦で参加しましたが、外出する楽しみ方がひとつ増えました。継続したいと思います。(60代女性)

体幹を支え、自立歩行を追求する「ライフリー歩行アシストパンツ」

当社では、ご家族の介護をなさっている149名の方に協力をいただき、3大介護(食事、入浴、排泄)に関する意識調査を実施しています。この調査は同じ方に2015年から5年間継続実施しており、介護に伴う生活動作に関する意識などを調べています。
この調査を通じて、ご家族の介護をなさっている約8割の方が「できるだけ自立して生活をしてほしい」と願いながらも、「歩く(歩いてもらう)」ことに不安を抱えていることが分かりました。日常生活において、その土台とも言える「歩行機能」は、その重要性とは裏腹に、加齢に伴って低下しやすい機能でもあり、これが低下すると外出を敬遠するなど、地域社会とのつながりも途絶えることにつながります。
なお、詳細な調査によれば「歩行機能の低下」といった大きなくくりを、さらに掘り下げると「歩幅が狭い」「左右のバランスが悪い」「とにかく動作が遅い」など、さまざまな要素が複雑に絡み合っていることが分かりました。このような「歩行機能の低下」は、日常生活動作(ADL)全体の低下につながる可能性が高く、とても重要な課題であることを確認することができました。

「健康維持のために歩くことが大切」という回答は6割を超えますが、実際に「週に3日以上外出する」人は3割にとどまっています。これは介護者がご本人の歩く姿を見て「バランスが悪くなった」「歩幅が狭くなった」「歩くスピードが遅くなった」など、歩行に対して不安を抱いていることが背景にあります

  • ※ユニ・チャーム調べ
健康維持のために前向きに取り組んでいる方で、
歩くことが大切と感じている方

ユニ・チャーム調べ

“歩行”機能の低下による外出不安

ユニ・チャーム調べ

安定した歩行のためには、しっかりとした骨盤で、体幹を支えることが重要です。そこで当社が新たに開発した「ライフリー歩行アシストパンツ」では、骨盤帯に圧力を加えて腹圧を高め、体幹を支えてバランスを保つ技術をパンツに採用し、歩行の不安を低減。また、足の動きを妨げず、歩幅を広げる構造で、歩きやすさを向上させました。さらに薄く伸縮性があり柔らかさと通気性を備えた布の下着と同じような生地感で、毎日の生活に違和感なく取り入れていただけるよう工夫しています。

「骨盤サポートフィット®」の仕組み

 

これまでの「自立排泄」の支援に加え、ADLの基本となる歩行の自立を支援することで、健康寿命の延伸に貢献することを目指します。

人とペットの共生社会の実現に向けて

ユニ・チャームは、いつまでもその人らしく、いきいきとした生活ができるよう、高齢者のQOL(Quality of Life/生活の質)向上に取り組んできました。同時に、ペットフード、ペット用トイレタリー商品など、ペット用品の開発・販売を通じて、ペットを取り巻く環境の向上にも取り組んできました。人とペットが幸せに共生することは、当社の願いのひとつです。

動物と触れ合うとき、多くの人は笑顔になり、癒やしを感じることができます。そればかりでなく、介護を受けている高齢者がペットと触れ合うことは、高齢者の自立を促し、QOLを向上させる可能性があります。くわしくは後述しますが、高齢者施設において動物と触れ合う機会を提供すると、寝たきりの状態でベッドから離れられなかった方の割合が減少し、また笑顔で会話される方が増えたとの調査結果があります。一方、人と触れ合うことで、動物にもよい影響をもたらすことができるはずです。当社では「人とペットの共生社会」を目指し、人と動物が互いによい影響を及ぼしていることを明らかにするための取り組みとして「アニマルセラピー」などの活動を進めています。

アニマルセラピーで人と動物の「快」を追求

アニマルセラピーとは、動物と触れ合うことでストレスを軽減して安心感を与えるなど、精神的によい効果をもたらして健康を回復させる療法のこと。当社では、高齢者施設、病院、学校などを訪問して、アニマルセラピーを実施しているJAHA(公益社団法人日本動物病院協会)と2018年から人と動物との触れ合いがもたらす「快」の効果について、科学的に分析する活動を始めました。

病院や特別養護老人ホームで開催したアニマルセラピーにて参加者である高齢者の皆様の協力をいただき、セラピー実施前と実施後に唾液を採取して、ホルモン分泌を測定する他、心拍センサーで自律神経機能を評価しました。また、セラピー実施中にはビデオ撮影を行い、笑顔の回数など、表情を測定しました。

その結果、幸せホルモンが増加したり、リラックスしている状況を示す心拍の変動、笑顔の回数が増加していることが確認できました。セラピー犬との触れ合いによって、喜びや幸せを感じていることが科学的に証明できました。

同時に、セラピー犬とその飼い主に対しても、ホルモンの変化や心拍の変動を測定しました。その結果、多くのセラピー犬とその飼い主に、幸せホルモンが増加していることが明らかになり、病院や特別養護老人ホームの高齢者だけではなく、セラピー犬やその飼い主もアニマルセラピーで高齢者と触れ合うことで気分が高揚し、喜びを感じていることが分かりました。

さらに、2019年11月、犬と一緒にウォーキングすることによる、飼い主と犬、双方のホルモン分泌、心拍数の変化を測定しました。愛犬との正しいウォーキング方法を学び、約2kmの距離を一緒にウォーキングすることで、多くの人と犬に、喜びを感じていることを示すホルモンが増加していることや効果を最大化する目標心拍数による運動ができたことを確認することができました。

他にもペットフードやペット医療の充実によりペットの平均寿命は延び、高齢となったペットに介護が必要になる事例も増えていることから、当社はペットの介護用マットや通気性のよいペットシート、衛生用品などを開発、販売しています。

人とペット双方が快く共存する社会を目指して、これからも開発や検証を続けていきます。

アニマルセラピーの様子
高齢犬と開発者
 

このページの上部へ

Copyright© Unicharm Corporation

unicharm