社長メッセージ
「共生社会」の実現とライフタイムパートナーへの進化
「Love Your Possibilities」を体現する「3つのR」
代表取締役
社長執行役員
高原 豪久
ユニ・チャームは、創立65周年を迎える2026年から2030年までの5ヵ年を対象期間とした第13次中期経営計画「Project Renaissance(プロジェクトルネサンス)」を始動しました。
この「Project Renaissance」は、「Renaissance(回帰)」「Rebirth(新生)」「Resonance(共振)」という「3つのR」で構成されています。1つ目のRenaissanceは、AI×感性が導く「人間中心」への回帰を意味します。2つ目のRebirthでは、新興市場を制する「脱・製造業」への新生を目指します。3つ目はResonanceで、お客様や社会との「共創価値の最大化」を図ります。すなわち、「Project Renaissance」は、当社が掲げるコーポレート・ブランド・エッセンス「Love Your Possibilities~なんでもできそう。いつでも、いつまでも。~」の体現に他ならず、中期経営計画目標である「2030年までに売上高1.5兆円、コア営業利益率17%、ROE17%」を着実に達成する所存です。
「Kyo-sei Life Vision 2035」による絶対価値の追求
「Project Renaissance」では、売上高や営業利益、シェアといった比較可能な相対価値はもちろん、「ユニ・チャームの商品・サービスのない生活は想像できない」と生活者に思っていただけるような絶対価値も追求します。
当社は、2020年10月に中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2030 ~For a Diverse, Inclusive,and Sustainable World~」を発表し、事業活動を通じて社会課題や自然環境問題の解決に貢献することで、当社ならではの絶対価値の実現に取り組んできました。具体的な取り組み状況は本レポートの本編に詳述していますが、2025年までの5年間で一定の成果を得ることができました。
これをさらに加速すべく、これまでの活動を振り返り、併せて当社を取り巻く経営環境の変化を踏まえて、重要取り組みテーマや指標、目標を修正し、「Kyo-sei Life Vision 2035」として2025年10月に公表しました。2026年からは「Kyo-sei Life Vision 2035」の積極的な展開を通じて、さらなる絶対価値を追求します。
『RefF』によるサーキュラーエコノミーの社会実装
「Kyo-sei Life Vision 2035」で掲げた地球環境分野への取り組みの柱であり、絶対価値の創出の要が、使用済み紙パンツの水平リサイクルプロジェクト『RefF』です。
本プロジェクトは、回収した使用済み紙パンツ(紙おむつ)のパルプを独自のオゾン処理技術を使って、未使用の原材料と同等の品質にまで蘇らせる取り組みです。これは「使用したら廃棄する」という従来の消費スタイルから脱し、「使用したらリサイクルする」という新たな生活習慣を社会実装するという大きな試みです。当然ながら当社単独では展開できませんので、鹿児島県の志布志市ならびに曾於郡大崎町、および両自治体から廃棄物処理を委託されている有限会社そおリサイクルセンターと2016年より協働しています。2022年には、本プロジェクトでリサイクルした「再生パルプ」を原材料の一部に使用した商品『ライフリー 横モレ安心テープ止めRefF』を発売し、2024年にはベビーケア用品とペットケア用品で商品を展開しました。
また、この取り組みの輪は社内にとどまらず、パートナー企業によってトイレットペーパーや輸送用パレットの原料などに活用されるなど広がりを見せています。今後は異業種や自治体との連携を深め、リサイクルが生活に浸透した社会の実現を目指します。
女性のウェルビーイングを支える会社へと成長するために
先述したように、当社では、お客様に一生涯寄り添うライフタイムパートナーとなることを目指しています。その上で、女性のウェルビーイングを支える会社へと成長することは、世界中のお客様のライフタイムパートナーとなるための大切な第一歩と考えています。
この一環として当社ではDXを活用した新たな事業展開を加速しています。2023年に組成したMDX(Marketing by DX)本部が開発した生理・体調管理アプリ『ソフィBe』は、生理日を入力することで、生理日予測やホルモン周期の波の予測を行います。ホルモン周期特有の一般的な心身の変化の特徴を表示する機能を搭載するなど、大きな進化を遂げました。また、この取り組みによって得られた、「モレた」「ズレた」などのさまざまな利用者のペイン(悩み)のデータを精緻に分析して、次世代の商品やサービスの開発へとつなげています。さらには、一般的な病気やけがはもちろん、女性特有の病気や“妊活※1”にも寄り添う少額短期保険『ソフィ おまもり保険 女性向け医療サポート※2』など、デジタルとリアルを融合した新たなサービスを迅速に展開しています。
女性のウェルビーイングを支援する取り組みは、日本をはじめとする先進国にとどまりません。アフリカのケニアでは、豊田通商株式会社様およびCFAO Kenya Limited様と協働し、2025年1月より生理用ナプキンの現地生産を開始しました。現地の消費者ニーズに合わせて開発した『SOFY Long Lasting』は、原材料の一部を現地調達することでお手頃価格を実現し、より多くの女性が衛生的な生理用品を使用できるようにしています。
これらの取り組みを通じて、世界中の女性のウェルビーイングを一生涯支えられる企業へと成長することを目指します。
- 妊娠活動。妊娠についての知識を身につけることや、家族などとの話し合い、妊娠にあたって自分の身体の現状把握、医療による不妊治療などといった一連の活動のこと。
- 引受少額短期保険業者:アフラック少額短期保険株式会社。
AIと共創する「Renaissance」
人間中心への回帰である「Renaissance」を実現する鍵は、社員一人ひとりの「自律」にあります。この社員一人ひとりの「自律」を、当社では「OODA-Loop」メソッドで育んでいます。
「OODA-Loop」とは、「現状観察(Observation)」によって素早く変化を察知し、「状況判断(Orientation)」と「意思(意志)決定(Decision)」を行い、即「行動(Action)」に移すという一連の流れを、ループを描くように繰り返しながら「やり方自体」を常に見直し、抜本的な変革を行い続ける仕組みです。そして2026年には、「OODA-Loop」にAIを組み込んだ「OODA-Loop with AI」へと進化させる予定です。AIが示すデータやアドバイスを、人の感性や現場の知恵で解釈し、より高度な意思(意志)決定へと昇華させます。
このような人とAIの共創こそが、今日における「Renaissance(人間中心への回帰)」ではないかと考えています。「OODA-Loop with AI」によって、当社ならではの絶対価値の提供スピードをさらに加速させます。ぜひ、これからもユニ・チャームグループの挑戦にご期待ください。
2026年5月
ユニ・チャーム株式会社
代表取締役 社長執行役員
高原 豪久