2007年8月8日
第3の生理用ナプキン表面素材『FCLシート』を新開発
〜かゆみ発生の一因となる経血が肌へつく量を1/10に低減〜
繊維学会秋季大会(2007年10月)にて発表予定
ユニ・チャーム(株)は、従来の生理用ナプキン表面素材である『不織布シート』『メッシュシート』に次ぐ、第3の生理用ナプキン表面素材『FCLシート』(FCLはFluid Control Layerの略、流体コントロール層という意味)を新開発しました。また『FCLシート』を表面素材に用いた生理用ナプキンによる実験の結果、経血が肌へつく量を1/10以下(*)に低減することができました。これらの研究結果は、2007年10月の繊維学会秋季大会にて発表する予定です。
(*)・・・従来の当社不織布シートを表面素材に用いた生理用ナプキンとの比較
新開発の生理用ナプキン表面素材『FCLシート』
■開発の背景
近年、女性の生理時の悩みは、“かゆみ・カブレ・べたつき”などの肌トラブルに関するものが増加傾向にあります。これは、「自分の肌は敏感で、特に生理中は肌が敏感になる」と感じる女性が増えていることが原因だと思われます。
中でも、“かゆみ”は、生理用ナプキンを装着した時に、こすれる・ムレるために起きることもありますが、経血そのものが“かゆみ”を発生させる一因であるともいわれています。
したがって、生理中は、経血が肌へ多量に付着しない状態を保つ必要がありますが、これまでの生理用ナプキン表面素材の『不織布シート』や『メッシュシート』では、その素材特性からいずれも経血が多量に表面へ戻るため、多量の経血が肌へ残ってしまいました。
そこで当社は、新しい表面素材の研究に取り組み、この度『FCLシート』を新開発いたしました。本シートは、『メッシュシート』の開発から約20年ぶりとなる新素材の開発であり、第3の生理用ナプキン表面素材と呼ぶにふさわしい素材であると考えています。
■新開発『FCLシート』の素材特性
『FCLシート』は、当社の独自製法によって開発した、隆起した部分と溝の部分が交互に繰り返された、開口と凹凸構造をもつ新しい生理用ナプキン表面素材です。従来の『不織布シート』と『メッシュシート』のそれぞれの優れた特性を融合したような素材で、経血を速やかに透過させ、経血が肌へ付着しにくい状態を作ります。
特性1.表面に経血が広がらない
溝の部分にできた開口から、経血を速やかに生理用ナプキン下層へ流し込むので、表面に広がりません。
特性2.表面にウェット感が残らない
隆起した部分は低密度になっているので、経血が表面から生理用ナプキン下層まで一気に通り抜け、表面に過度なウェット感を残しません。
特性3.経血が肌に付着しにくい
表面の凹凸構造が、肌への接触面積を低減させるので、一旦生理用ナプキン下層へ通り抜けた経血の逆戻りを抑えることで肌へつく経血量を1/10以下(*)に低減し、経血が肌へ付着しにくくなります。
「FCLシート」断面イメージ
「FCLシート」経血吸収イメージ
■『FCLシート』の特性評価
(1)経血の逆戻りに関する評価
<結果>
『FCLシート』を表面素材に用いた生理用ナプキンで、擬似経血を使って、逆戻り率を測定する実験を行ったところ、従来の『不織布シート』を表面素材に用いた生理用ナプキンに比べて、擬似経血の逆戻り率が1/10以下(*)に低減される結果を得ることができました。
<測定方法>
『FCLシート』および『不織布シート』を表面素材に用いた生理用ナプキンに、擬似経血6mlを滴下した後、複数枚のろ紙を重ねて加圧した後、ろ紙に転写された擬似経血量を測定し比較した。
〜ろ紙に転写された擬似経血量〜
生理用ナプキンに用いた表面素材
経血量
逆戻り率
FCLシート
0.01ml
0.2%
不織布シート
0.98ml
16.3%
(2)使用感に関する評価
<結果>
生理時での使用実験では、「べたつかない」「経血が広がらない」「安心の吸収力がある」の属性評価で、普段使用している生理用ナプキンに対する有意差が認められました。これにより『FCLシート』を表面素材に用いた生理用ナプキンの使用感が向上していることが示唆されました。
今後は、この度の研究成果を、女性の生理時のかゆみ・カブレ・べたつきなど肌トラブルの悩みに応えていく生理用品の開発に役立ててまいります。
なお、本研究結果は、繊維学会秋季大会(2007年10月)にて発表する予定です。
(参考)
素材名称
表面の様子
開口の有無
非開口部の透過性
凹凸の有無
不織布シート
×
○
△
メッシュシート
○
×
△
新開発の
FCLシート
○
○
○
※データは全てユニ・チャーム調べ
<<本件に関するお問い合わせ先>>
ユニ・チャーム(株)
秘書広報IR室 服部・吉田
TEL.03-6722-1019